2
「「行ってきまーす」」
「…って玲一緒に行くの?」
「そうだよ。同じ学校だし」
朝から思い切り綺麗なハモりをしてしまった。
私より遅くおりてきたのに、男の子は用意が早いこと早いこと。
「高1にもなってお姉ちゃんと学校行ってたら友達に笑われるよ?」
「別に、真央は真央だし」
「なにそれ」
私より身長が15cm程高くなってしまった玲が眠そうに答える。まだ寝ぼけてんのかな。
_____
「おはよ!」
「あ、おはよう。茜」
全校集会でざわめく体育館で親友の茜が声をかけてきた。何やら嬉しそうな顔をしている。
「どしたの?にやついてるよ」
「どうしたのもこうしたのもないよ!今日はいよいよ生徒会が決まる日!イケメンが集まる日!!」
「あ〜そういや 茜そうゆうの好きだったね」
「あったりまえじゃない!」
今日は学校の生徒会が決まる日。
私の学校の生徒会は代々イケメンが務めている。いつからそうなったのかは分からないけどその決まりは揺るぎない。
そしてその生徒会目当てで入学する子も少なくはない。……茜もそうだったりして。
「なによ」
「う、ううん。なんもない」
2年、3年の生徒会は昨年度の1年、2年がエスカレーター式で務めることになっている。余程のことがない限り入れ替わることはないらしい。
だから今日は選ばれし1年のイケメンお披露目会ってところだ。
「来た来た!」
茜がそう言うと周りがドッとざわめき、しまいには黄色い声援が飛ぶ事態に。
体育館の壇上に2年、3年の生徒会が現れたのだ。
「うわー、やっぱ並ぶとすごいね!圧巻!」
「そー?」
壇上に並んだのは、会長、副会長に会計と書紀の計5人だ。
「昨年、一昨年がイケメン豊作だったから今年は生徒会に入れる一年は精々1人か2人だろうね」
「ふーん」
「にしても高城くんかっこいいわー」
そう、私の双子の兄の高城洋司も生徒会の1人なのである。
「真央、あんたとは似ても似つかないわ」
「分かってますー」
当たり前だ。世間的には双子だけど血のつながりなんて一切ない。出来が違うのは仕方ない、本当の双子じゃないんだもん。
茜が洋ちゃんを指差してキャッキャと騒いでいるとふと視線を感じたのでちらっと斜め後ろに目をやると玲がムスッとした顔でこっちを見てた……けどすぐにそらされた。煩くし過ぎたかな。