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ずっとそばにいるよ

作者: 葉沢敬一

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

 宇宙を漂っていた精神寄生体はロケットに付着して地球に降下した。日本に。

 ただ、寄生先がなかなか見当たらない。生き物に寄生しようとしたが、どうも相性が悪いようですぐに排出されてしまう。


 どうもこの星の生物は新しい寄生体に対して旧来の寄生体が追い出すようになっているらしい。高度な寄生虫は元より、体内の菌レベルでも私は攻撃され排除される。


 生体防御システムがそうなっているのは意外だった。どうも過去侵略された節があるようだ。

 しかし、システムの穴を見つけた。ある好まれている食物に混じって入るとすんなり寄生することができることに気づいた。


 土着の歴でいう「大晦日」に私はたまたま、蕎麦屋の蕎麦に潜り込んでいた。手打ち蕎麦で麺にされて、茹で上げられつゆに浸けられて次から次へと来る客が食べていく。


 一緒に体内に入っても拒否反応はない。

 私は喜んだ。これなら寄生主と同化できると。


 もちろん、ある程度経つと消えてしまうが、蕎麦を常食とする人間もいるので、その体内で同化し、独特の文化を知ることになった。


 寄生先に汲々としていた時は気づかなかったが日本の文化はなかなか興味深い。

 この星で一緒に共生していこうと決心した。異星の科学文明について知っているので、この寄生主に貢献できることはあるはずだ。


 私は心の中で宣言する。


「ずっと蕎麦にいるよ」


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