童貞は想い人に捧げたい。
マンションの一室、コーヒーとタバコの臭いに誘われ目を覚ます。
見覚えのあるイイ女が俺の顔を覗き込み朝食を取れるかを問いてきた。
街を見渡せるバルコニーで、女の話を聞きながらサンドウィッチを貪る。
「なんで昨日はシてくれなかったの?」
曖昧な記憶を辿り俺は回答をする。
「昨日出会った女とやるわけねぇじゃん。」
「同じベッドで眠って、一緒にサンドウィッチを食べる仲なのに残念だな。」
「タダ飯だから食ってやってるんだよ。」
暫くの間を空けて、女は口を開く。
「また一緒に呑みに行こうね。」
それが最後に聞いた女の声だった。
2019年10月27日、天気は晴れ。
喧騒が街を包み、1日が始まろうとしている。
軟らかいベッドに暖かい風呂、上手い飯にイイ女。
この生活がいつまでも続くと俺は思っている。




