99年から00年へ
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1997年2月16日、フェブラリーSがダートではじめてのG1に昇格を果たしました。条件などは変わらず。中央競馬にはこれまでダート重賞はあれどG1はありませんでした。この昇格もレースの路線拡充の為の一環ですね。
すでに地方競馬との交流は始まっており、無かったのが不思議なくらいで新たな目標ができて更に競走馬の地力強化につながっていった感じがします。
日本競馬発祥は前述してきた通り、欧州競馬を模倣してきたことは既にご存じだと思います。という事はレースの主戦場は芝コース。ダートでいくら勝ってもなかなか評価してもらえないという現実がありました。しかし実際の競走馬たちには芝適性のある馬ばかりではありません。ダートでしかその存在を証明できないでもがいていた馬たちも、日が当たることの少ない環境でたくましく走り続けていたのです。
そんな現状に一石を投じる路線の拡充はまさに「光が差した」といえるのではないでしょうか。
同年の1997年度末、牝馬では26年ぶりの年度代表馬にエアグルーヴが選出されました。同馬は1995年に中央競馬(JRA)でデビュー。翌1996年に優駿牝馬 (オークス)を優勝し、1983年の同レースを制した母・ダイナカールとの母娘2代での優駿牝馬の制覇を成し遂げた名牝です。
1998年、フランスにて武豊騎乗のシーキングザパールがG1モーリス・ド・ギース賞を優勝。翌週にはタイキシャトルが同じくフランスのG1ジャック・ル・マロワ賞を制し日本調教馬の海外G1初制覇を成し遂げました。両馬ともにアメリカで生産された外国産馬で、日本に輸入。その後に日本の地にて調教を積まれ育った馬です。
1998年、セレクトセール初開催されました。
聞きなれないセレクトセールとは?
日本競走馬協会(Japan Racing Horse Association・河野太郎会長)が主催する日本最大のセリ市である。セレクトとは上場される競走馬を主催者側で厳選していることを意味し、従来のセリ市では登場することがなかったような良質馬を上場することでサラブレッド流通の活性化を図ることが目的とされているものです。このセレクトセールはグリーンチャンネルにて放映もされています。興味のある方はまずは同チャンネルに加入後ご覧になってみてはいかがでしょうか?
このセレクトセールとは違いますが、サマーセールにて高校生が育て上げた仔馬がセリにかけられたことがあります。2020年に北海道静内農業高校が生産した「マドリガルスコアの2019」(牡、父マクフィ)が2750万円(税込み)の高値で落札され話題を呼びました。
その様子が動画投稿サイト等に残っていますので、興味がある方はご覧いただけると思います。
1999年、ワールドレーシング・チャンピオンシップ開催されました。UAEの航空会社エミレーツ航空の協賛によりはじまった競馬の世界選手権シリーズで、凱旋門賞やBCなど世界的な大レースでの走成績をポイント化し、それをもとに年間順位が決定するという壮大なものでした。日本ではジャパンCが対象レースとなっていた。2005年まで開催されましたが現在は開催の予定はありません。
1999年5月、ついにノーザンファームで生産され、欧州でデビューしたヘクタープロテクター産駒のシーヴァがアイルランドのG1タタソールズゴールドカップで優勝。日本産馬で初めての海外G1制覇を成し遂げました。
同年の1999年に新たな勝馬投票券の種類としてワイドが導入されました。一言でワイド馬券と言われても何のことやら? ですよね。簡単に説明しましょう。
ワイド馬券はその正式名称を「拡大馬番号二連勝複式勝馬投票法」といいます。この中の「拡大」というのが、ワイドと変換されて一般向けに呼ばれるようになりました。現在もその呼称が通称になっています。
では、ワイドはどういうものかというと、3着までに入る2頭の組合せを馬番号で的中させる投票法です。馬連は2着までの2頭の組合せを1・2着の順序に関係なく的中させる投票法ですが、ワイドは3着までと範囲が拡大された投票法ということになります。
出走馬が4頭以上の場合に発売され、組合せとして当たっていれば的中。2着までの着順は関係ありませんが、3着が同着だった場合に3着・3着の組合せは不的中となります。3着の同着がない場合、ワイドの的中は3通りとなります。
3着までに入る馬を一頭だけ当てる複勝よりは難しく、2着までに入る2頭を当てる馬連よりは易しい……とは思うのですが、やはりそこは取捨選択の広さでなかなか上手くいかないのが競馬予想の面白さでもあります。
他に同年の主なトピックスと言えば、メイセイオペラが地方所属馬として初の中央G1(フェブラリーS)制覇やエルコンドルパサーの欧州長距離主要G1で活躍(勝ってはいません。最高2着)、障害レースにグレード制導入と中山大障害春をJ・G1として中山グランドジャンプに改称などがあります。
そして訪れる2000年代。ここから日本競馬はどのように進化していくのか。はたまた衰退してしまうのか。続きはまた次回でお話ししましょう。
参考資料
図書
日本競馬史 著者 日本中央競馬会総務部調査課 編
雑誌
週間競馬ブック
週間競馬エイト
勝馬
インターネット
Wikipedia 競馬の歴史(日本)
グリーンチャンネル
JRA-VAN




