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食堂と声色





挨拶からそう時間が経たずに、

絵梨花ちゃんの席には男女問わず人がごった返していた。


すごい質問攻めにあってて大変そうだな。

そう考えながら見ていると絵梨花ちゃんと

目があった。すると、彼女はニコッと笑い


「おはよ!俊くん!」


ぶっ!

囲ってたやつらが一斉にこっちを振り向く。

そして、絵梨花ちゃんに更なる質問攻めをする。

そのほとんどが


【蒼俊介と知り合いなの?】


というものだった。そして絵梨花ちゃんは


「うん。小学校の頃からの幼馴染なんだ。」


そう答えた。それにより向けられる男女問わずからの

羨望、嫉妬の目。さすがに怖いな。

やっぱり絵梨花ちゃんって人気女優なのか


「おいおいおい親友よ!

 上坂さん、じゃなくて上田さんと

 幼馴染なんて聞いてねーぞ俺!」


小吉が食い入るように聞いてくる。

その会話をクラス全員が耳を傾けて聞いているようだ。へまはこかないようにしないと・・・

絵梨花ちゃんによからぬ噂が立つかもしれないからな


「あぁ、言ってなかったな。

 昔な昔、一緒に遊んでたんだよ。

 まぁ、でも小学校の時に絵梨花ちゃんが

 海外に引っ越してそれきりだったから

 女優って知ったのはつい最近だ」


「ふーんそうなのか。

 それにしてます羨ましいな。

 ここだけの話、付き合うとかって話

 ねーの?」


当たり障りのない感じでまとめたのに!

こいつ、楽しんでやがる・・・

心なしか口元がニヤニヤしてるし


「ねーよ。あるわけねーだろ。」


「え!?」


なんかすごい声が絵梨花ちゃんの方向から

したような気がする・・・

まぁ、続けるか


「相手は女優だぞ?それにさっきも

 いったけど幼馴染っていったって

 再会したのはつい最近だ。」


「ふーん。そういうもんなのか。

 まぁ、いいやとりあえず

 俺が朝メシ買うのに付き合えよ」


「しょうがねーな」


そう言って甲斐は教室を出ていき、

おれもそれに続く。

正直助かった。あの視線は痛すぎるし

口を滑らせて、隣人とか連絡取り合ってるとかバレたりしたら学校だけではなく

世間にバレ絵梨花ちゃんの芸能人生に支障をきたすかもしれない。



「・・・ありがとうな小吉、

連れ出してくれて」


「ん?あぁ、いいって

 俺も少し遊んじまったし。

 確かに上田さんとの事は気になるけど

 俺にとってはお前のが大切だしな」


「小吉・・・」


正直感動した、この背高のっぽのバスケ部

本当に凄い良い友達だな。

俺が女なら今ので完全に落ちてるな。


「ま、俺には一年の転入生がいるから

 いいんだよ〜ん。」


「ふっ。言ってろ」


そうやっておちゃらけながらも

俺たちは食堂へと向かう。


朝のうちなら食堂もすいており、

パンなどの軽食なら買えるようになっている。小吉は運動部ということもあり、食べる量もすごいのでたまに朝に買いに行くのを

ついていったりしている。


だが、今日の食堂はいつもと雰囲気がちがった。


「ん?なんか騒がしいな」


小吉がそう言い、食堂をみると確かに人がめちゃくちゃ集まってる。何かあったんだろうか。けどよく見たら売店に集まってるんではなく、食堂の席に集まってる感じがする。


「あのボタンの色・・・

 大体一年だな。なにかあったのか?

 あ、おばちゃん焼きそばパン4つ」


「はいよー。相変わらず食べるね」


「まぁね。

 てか、あれなんなの?」


小吉は席に集まるあの団体を指さす。


「あぁ、なんか芸能人?が転入してきた

 みたいな話してたね。」


「な、なに!

 噂の一年の転入生か!

 おい、俊介!見に行くぞ!

 あ、おばちゃんお金ここ置いとくね〜」


「えぇ・・・」


「はいよ〜」


そう言い興奮気味の小吉に半ば引きずられる形で一年の団体へと近づく。


だが、その中心にいた黒髪の美少女をみて

約1時間ぶりに驚愕の声を出してしまう。


「げっ」


「ん? あ、お兄ちゃん。おはよー!」


その美少女もとい、蒼舞香の普段とはあまりにも違いすぎるアイドルのような声色の一言に一年の団体、小吉共に鎮まり食堂は一瞬ながら普段の朝の顔を取り戻す。


そして、小吉がまるでギギギと音がたっているかのように前へ向いていた顔をゆっくりとこちらへ向き直し


「・・・お、お、おにいちゃん?

 俊介?なんでアイドルの斉藤舞香ちゃんが

 お前の妹なんだ?」


「・・・あー。

 話すとながくなる。」


あの噂されていた芸能人転入生が、二人とも自身の知人であるとは夢にも思ってなかった俊介にとって、この二つの出来事は夏休みの寝ぼけた感覚を覚ますにはちょうどいい、

いや、あまりある出来事だった。


そして、彼の学校生活がこの日を境に一変することは言うまでもないだろう。




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