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10話 開戦

リーシャの報告が入った後、ギルド1階大広間にてスタンピードが知らされた。


「諸君。今調査隊から報告が入った。現在、西の森ブルングにて発見されたモンスターの大群が動き出した。目的地はここダカールだ。」


 その言葉に冒険者たちは驚きの表情と声を上げていた。


「ギルドは今を持って緊急クエストを発行する。内容は『ダカールの死守』。このクエストに参加したものたちにはギルドから金貨5枚、討伐数によって追加報酬を与える。予想到達時間は今より5時間後、深夜だ。それまでに早急に支度を済ませて西門へ集合だ。」


 冒険者たちの緊張が高まる。高額の賞金と押し寄せる多くの敵、周りを見ながら参加すべきかを考える。


「いいかお前ら、これは強制じゃねえ。だが、この街には多くの一般人がいる。ここには家族や愛する人を持つ者もいるだろう。逃げたって構わねえ。ただ、そいつらを守れるのはお前たちしかいない。お前らの活躍に期待している!それでは解散!」


 ガウマンの熱い言葉に歓声をあげる冒険者たち。先程までの迷いの表情は消え、逆にやる気に満ち溢れた表情を見せていた。


「おっさん、焚き付けるのがうまいな。」


「うるせえ。」


 ギルドの2階から演説をしていたガウマンの背後に会議室からトオルがのぞいていた。その後、二人は会議室に戻り、今後の話を詰め始めた。


「いいか、さっき言った通りだ。時間がない。早急に部隊を編成する。」


「それでどうする。」


 Aランクパーティー紅蓮の刃リーダーカインが発言した。


「まず、正面に展開している定ランクのモンスターは下の冒険者の者たち任せる。そして、奴らが敵わない高ランクモンスターと竜種の撃退をお前らに任せる。」

「まず、Aランクパーティーの『紅蓮の刃』と『双翼の鷹』には竜種の当てをしてもらう。」


『双翼の鷹 リーダー:フレンダ』

「この身に変えましても必ず倒してみせます。」


「うむ。任された。」


 フレンダとカインの2パーティーは固まり、作戦会議を始めた。


「残りBランクパーティーの者たちにはAランクパーティーが戦いやすいようにモンスターを近づけないようにしてもらいたい。主に高ランクのモンスターの討伐を頼む。」


「俺らはどうすればいい?」


 話に上がらなかったトウルがガウマンに質問を投げかけた。


「お前らにもBランクパーティーの連中と同じ動きをしてもらいたい。高ランクのモンスターを相手できるものは多くない。一人でも多く参加してくれた方が助かる。」


「お前らみたいな雑魚入れねえよ。俺らだけで十分だ。」


 さっきの腹いせだろう。トリスターが悪態をつけてきた。


「これは重要なことだ。お前のプライドを気にしている暇はない。」


「っち。」


 ガウマンの言葉にトリスターはそっぽを向いて不機嫌な態度を見せた。


「それでは解散!準備が整い次第お前らも西門に向かってくれ。」


 その後、トオルとステラも支度をするためギルドを後にした。


「本当に勝てるでしょうか。」


 暗い表情を浮かべるステラはモンスターの襲撃に不安を抱いていた。


「大丈夫さ。俺らは支援に徹するだけだし、何よりステラは絶対に俺が守る。だから心配するな。」


「トオル様...。」


 不安なステラにニコリと笑みを浮かべるトオル。その言葉にステラは頬を少し赤らめる。


(きっと大丈夫だ。竜種はAランクパーティーがなんとかしてくれる。こっちにきてから慌ただしいことばっかだな。ゆっくり星を見ながら生活する夢はいつ叶うのやら。)


 そんなことを思いながら日が落ちポツポツと見える星空を見上げるトオルだった。


 その後、町中に避難勧告の鐘が鳴り響いた。街中は騒然とし街の人々はモンスターらが来る東門に召集された。



ーモンスター襲来1時間前ー


 準備を済ませた冒険者たちが西門に次々と集まり始めた。ギルドにいた冒険者たちのほとんどが集まった。


(みんなこの街を本気で守ろうとしている。俺もここには大事な人たちがいる。負けられない。)


 この街で出会った人たちの顔が浮かぶ。


 少しした後、城壁の上にガウマンの姿があった。その後ろには騎士の格好をした男の姿があった。


「お前らよく集まってくれた!全員で必ずこの街を守り抜く!そのためにも死ぬな!全員生きて帰ってこい!」


 ガウマンの演説に冒険者たちは大きな声援を送った。やる気に満ち溢れる表情は期待に満ち溢れていた。


「そして、今回は騎士団と協力をして防衛にあたる!」


 その後、騎士の格好をした男が前に出てくる。


「私はこの街の騎士団団長のビンセントだ!冒険者の諸君よ!この街は我ら騎士団が必ず死守する!なので、存分にその腕を奮ってきて欲しい!1匹たりともこの街にモンスターを近づけはさせん!」


 騎士団長の言葉にも声援が送られた。


「ギルドマスター!見えてきました!森の入り口付近から多くのモンスターたちが現れました!」


 伝令係が城壁にいるガウマンのもとへやってきた報告を告げる。その声は下の冒険者たちにも伝わり、緊張を走らせる。


「聞いての通りだ!モンスターどもがやってくる!お前らのこれまでの経験と力をあの悪獣どもに見せつけてやれ!」


  おぉぉぉぉおおおいお!


 その歓声と共に長い夜と戦いの幕が下ろされた。



「くっくっく。下等な人間どもがいくら足掻いたところで無駄なことだ。これもあのお方のため。悪く思わないでくださいね。」


 暗がりの森。モンスターの行進が進む様子を木の上から見下ろす黒いローブを被った男が不気味な笑い声をあげる。

お忙しい中お時間を割いていただきありがとうございます!


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