府中本町駅の罠
府中本町駅。
JR武蔵野線の始発駅でもありJR南武線の快速停車駅でもあるこの駅には、一日平均2万人が利用する。
近くに東芝、日本電気(NEC)の大きな事業場があるため、平日のラッシュ時は特に混雑する駅だ。
ご多分に漏れず筆者も利用させてもらっている駅なのだが、ここには毎度不満に思うことがある。
それは、「乗り換えが間に合わない。」ということだ。
ここからは半分愚痴のような書き方になってしまうが容赦してほしい。
私は南武線の川崎方面の列車から武蔵野線に乗り換えるというルートをほぼ毎日利用しているのだが、私はそこでの最短乗り換えに一度しか成功したことが無い。
足が遅いわけではないし、馬鹿みたいに駅が混んでいるわけでもない。はたまた無理な乗り換えをしている訳ではない。間に合うことには間に合うのだ。
じゃあどうしていつもは間に合わないのか?それはこの駅の独特な事情が関係する。
1.駅の位置関係
上の図は府中本町駅周辺のJR路線図である。立川から伸びている黄色い線が南武線、西国分寺から縦に伸びている橙色の線が武蔵野線である。
一見ただの乗換駅だが、沿線にある施設のせいで乗客の動向が大きく変わっている。1つ1つ解説していこう。
まずは府中本町から南武線で1駅。分倍河原駅の存在である。実はこの駅も乗換駅なのだ。京王電鉄の本線との乗り換えが出来るが、京王線側もこの駅を重要視しており優等種別が全て止まる駅となっている。
そのため、京王線から武蔵野線への「乗り換えシャトル便」のつもりで南武線を利用する人が沢山おり、1区間だけ利用者が増えるという珍しい現象が発生するのだ。
さらに分倍河原のとなりにある、西府駅の存在も看過できない。ここは前述した日本電気(NEC)の府中事業場の最寄駅なのである。
そして同じような位置付けになるが、武蔵野線の北府中駅も、これも前述したとおり東芝の府中事業場の最寄駅なのである。
通勤客に他社線からの乗り換え客。これらの理由だけでも府中本町駅が混む理由にはなりそうだ。しかし府中本町周辺には、これらで作られた混雑に追い打ちをかける事情も存在する。
2.中央線の存在
上の図を見ると、立川と西国分寺を横断する路線がある。その路線の名は、「中央線」である。
中央線の輸送人員が世界トップクラスであることはあまりにも有名だが、その輸送人員自体は中央線から放射状に伸びている様々な路線から乗り換えてくる人も含まれる。
そして南武線と武蔵野線は、どちらも中央線から放射状に伸びている路線だ。しかし、他の放射状に伸びている路線とは少し訳が違う。
路線が少し被っているのだ。これが府中本町駅の混雑の一番の要因だと言えるだろう。
もう少し分かりやすくするため例を挙げてみる。
例えば上の図で、南多摩駅から立川行きの南武線に乗ったとしよう。このまま乗っても中央線との乗り換えは出来る。しかし、武蔵野線の方が駅数は少ないし、中央線とも乗り換えられる。
そんな選択肢が出た場合、一般の人は「ショートカット」をしようとして府中本町駅で乗り換えるだろう。これが一番の混雑要因であると筆者は考えている。
混雑に次ぐ混雑。これじゃあスムーズに駅構内を移動できないだろう。しかし、これは列車をダラダラとおりた場合の話だ。運良く混雑の列の一番前にいれば関係のない話だ。これだけでは筆者もこんなものは書かなかっただろう。
しかし、通勤ラッシュでないにもかかわらず間に合わない事情がここにはあるのだ。
3.複雑な駅構内
次に出てきた上の図だが、これは府中本町駅の駅構内図である。南武線のホーム階が1番線と4番線でなぜか別になっている。
実はこれ、武蔵野線の歴史を見ればこうなったかが分かる。
元々府中本町駅は南武線のみの駅であった。そして武蔵野線は1973年まで貨物専用線であったのだ。そして武蔵野線ができた際、元あった貨物線に駅施設が干渉しないよう、多少複雑な駅構内になったのである。
そのため、少し弊害が生じているのも事実である。
私は一番最初に、「私は南武線の川崎方面の列車から武蔵野線に乗り換えるというルートをほぼ毎日利用しているのだが、私はそこでの最短乗り換えに一度しか成功したことが無い。」と書き込んだ。つまりは1番線から3番線への乗り換えが難しいということである。
南武線の川崎行きが府中本町に到着してから、始発の武蔵野線が出発するまでには、約3分の乗り換え時間がある。普通の駅なら間に合うが、この駅は地下通路などが作れない構造になっているため、乗り換えるだけでも3階のコンコースを経由しなければならない。1F→2F→3F→2Fと登ったり降りたりをしないといけないのだ。
その結果、前述の混雑も相まってか3分はあっという間に使い切ってしまい、電車は出発してしまうのだ。
なかなか時刻表通りにはいかないものである。
これまで府中本町駅の需要のせいで乗り換えが間に合わないことを長々と書いてきた。しかし、さらに追い討ちをかけるように、間に合っても乗れないことがたまにあってしまうのだ。
4.列車自体の明らかな容量不足
これらは、上が武蔵野線、下が南武線をそれぞれ撮った写真である。もう見ればわかるだろう。
15両でも満員電車になるこの東京で、8両と6両は明らかに容量不足である。これじゃあいつまでたっても乗れない。
もうどうにもならないね。
いかがだったでしょうか。完全に筆者の私怨だけで出来たものでした。文章も稚拙すぎて、こんなものを作ってすみませんというレベルですね。
ちなみに一度だけ乗り換えに成功した条件は、「分倍河原駅で5両目の一番後ろの開くドアの真ん前のポジションに行き、府中本町駅でドアが開いたらすぐに右にあるエスカレーターを駆け上がり全力ダッシュ」でした。
こんなものを見てくださりありがとうございました。