シーズン01 第091話 「蛋白源発生装置」
「魚類って割りといろんな種類食べるよね」
「そうね」
「哺乳類は二種類か三種類だよね」
「牛豚と羊かしら」
「なんでた!」
「養殖」
「あれ、和食って哺乳類なし?」
「そんなことは、いやそうかも、じゃなくて! 養殖物って話よ」
「魚が?」
「魚じゃなくて」
「野菜が?」
「野菜は栽培でしょう」
「お魚も栽培しますが」
「あー、なんかあったわねそういうスタイル」
「栽培スタイル」
「スタイルじゃなくて」
「沿岸スタイル、沖合スタイル、遠洋スタイルなどがある」
「そうそう」
「スタイルじゃん」
「だからスタイルじゃなくて」
「漁業ですね」
「結局漁業の話でいいのだけれど」
「結局漁業なのです」
「ん?」
「とにかく」
「養殖の話ね」
「そうそう。魚の養殖の話?」
「あー、確かに養殖っていうと魚のイメージも強いわね。魚じゃないほうの養殖の話よ」
「野菜?」
「野菜は栽培……って話題が回帰してるわね。そうじゃなくて、肉の養殖」
「肉の養殖とはいったい」
「そのままの意味よ」
「海にサケの切り身が泳いでいないのと同じように野山をステーキが駆けずり回っているということも基本的にはないということを知らないと見える」
「いや、ステーキは動かないでしょ」
「生派?」
「確かに生なら電撃とかで動かせるけれど」
「生命の神秘だね」
「そうね」
「だからと言って肉の切り身が野山を駆け巡ってるわけじゃないんだよ」
「そうね」
「じゃあ何なんだ!」
「いやだから、肉になる動物の養殖の話よ」
「肉になる動物?」
「牛とか豚とか鶏とか。鶏は鳥類だから哺乳類は牛と豚ね」
「なんで哺乳類?」
「あなたが言い出したんでしょ!」
「そうだった」
「要するに、魚は基本釣ってくるけど、肉は基本狩ってきたりはしないって話ね」
「狩場がないのかな」
「恐らくそうでしょうね。陸が三割に対して海が七割の世界だもの」
「できる人間は海が七割」
「みんな平等に七割よ」
「そうはいっても、狩猟採集時代はあったわけじゃん?」
「そうね。特に日本では案外最近までそんな感じだったんじゃないかしら」
「ってことは、その時は魚類と同じでいろんな哺乳類が摂取できてたんじゃない?」
「可能性はあるわね」
「イノシシとか」
「事実上の豚ね」
「キジとか」
「鳥ね」
「カラスとか」
「鳥」
「ハト」
「鳥」
「カエル」
「事実上の鳥」
「おおー!」
「いや、哺乳類はどこ行ったのよ」
哺乳類以外の肉は全部鳥
……ということなら恐竜とかも?




