シーズン01 第084話 「鍵保有帯」
「キーホルダーってキーでもホルダーでもないわよね」
「まずホルダーって何」
「ホールドだから、持ち物かしら」
「鍵持ち物」
「鍵持ち?」
「鞄持ちみたいな」
「鍵を預けるんだから相当の信用がないとだめね」
「セキュリティ会社から来た人か」
「セキュリティ会社って何よ」
「クレジット会社?」
「セキュリティとクレジットって同じ意味なの?」
「安全と信用だから大体同じ」
「違うわね」
「違うか」
「というかどんどんキーホルダーから離れていってるわよ」
「鍵は失くしやすいということでここはひとつ」
「そういうことじゃないでしょ」
「で、キーホルダーか」
「そう」
「もしかしたらキーとホルダーに分けて考えるのがいけないのでは?」
「区切りが違うって事?」
「キーホとルダーかもしれない」
「ルダーはともかくキーホが完全に英語の語感じゃないわね」
「モンゴル語っぽい」
「なくはないわね」
「ルダーは英語でゴム、キーホはモンゴル語で馬。よってキーホルダーの元の意味はゴム製の馬で、それをお守りとして携帯していたことからキャラクターの造形を持ち運ぶもの一般をキーホルダーと呼ぶようになった」
「そうだったの?」
「今考えた」
「おい」
「でもそれっぽくない?」
「それは認める」
「まあキーホという単語もルダーという単語もないんですけど」
「だろうとは思ったわ。そもそもゴムはラダーじゃなくてラバーでしょ。妙に耳なじみがあると思ったらそういうことだったのね」
「ラダーってなんだっけ」
「ラダーは聞いたことないわね。アダーなら加算器よ」
「加算器って?」
「足し算をする機械」
「電卓?」
「いや、足し算だけ」
「無念、そろばん未満」
「この加算器をうまく使って引き算とか足し算の入った電卓を作るのよ」
「おー」
「ってことで、アダーが加算器なのでラダーはアール加算器ね」
「ラダーのラってアールエーなの?」
「どうかしら」
「っていうからラダーってエルの方ならはしごじゃん」
「本当ね」
「っていうかキーホルダーなんだからラダーじゃなくてルダーじゃん」
「本当ね」
「おい」
「ごめんなさい」
「やっぱりキーをホールドするんじゃないの?」
「ホールドって?」
「掴むとか、かけるとか」
「キーホルダーに鍵をかける?」
「キーホルダーをロックしてどうするのよ」
「ああ、そうか! 南京錠をかける練習に使うのか!」
「日本語では同じかけるでも英語だとホールドとロックで別の単語でしょう」
「違った」
キーホルダー本体は鍵束入れの
リング部分でキャラは……やめよう