シーズン01 第060話 「角/角/角」
「角と角、全然関係なくない?!」
「角には角があるからじゃない?」
「いかなるものにも角はあるでしょ」
「いかなるものにはないわよ」
「いかなるものにはないか」
「角のメイン要素が角ってことじゃないかしら」
「体に角を持たせるために発達した器官が角ってこと?」
「生物学的に少し問題のある表現だけれど、イメージとしてはそんなところね」
「つまり羊の角は丸いので無駄」
「先端がとがってるわよ」
「尖ってるとこって角っていうの?」
「いうんじゃない?」
「でも針の先っぽは角じゃないよね」
「それはそうね。棘……もちょっと違うかしら」
「先端……端?」
「端ではあるけど鋭さが足りないわね」
「鋭角! ……あ、角!」
「ややこしくなってきたわね」
「角は角でまた別なのかな」
「音読みだから対応する訓読みがあってもおかしくないわね」
「角は角か角かって言われたら角だね」
「うーん、厳密に同じなのかは微妙なところね。例えば角の用例って」
「四角形とか?」
「そうそう。四角形って角が四つある図形って意味よね」
「角が四つあるともいえるのでは」
「それは確かにそうなんだけど、角って言ったときは外から見てる気がするけど、角って言ったときは中から見てない?」
「あー、言われてみれば。90°だもんね。でも数学用法と日常用法は違ったりすることがおおいからそれもその辺の誤差ってことで処理できない?」
「でも数学以外に角って使わないんじゃないかしら」
「そんなことないでしょ。角とか」
「え?」
「角行。将棋の」
「ああ、なるほど。あれおは何で角なのかしら」
「対角線上に動くからじゃない?」
「数学用法ね」
「数学用法だ」
「というか将棋の駒は五角形だから対角線でもないわよね」
「マスは正方形」
「本当だ」
「他に角の用例といえば、相撲?」
「角界ってやつね。あれは……なんでしょうね」
「なんだろうねー」
「まあ、角はほぼ角ってことでいいんじゃないかしら」
「そだね」
「で、角だっけ?」
「角。やっぱり角は何でも角ってわけじゃないと思うんだ。さっきの針の話はまあ針だとして、円錐みたいになってる角って結構あるじゃん。それは角ではなくない?」
「鋭角ではあるんじゃないの?」
「鈍角の円錐もあるでしょ」
「角は角」
「本当だ。角か。ってことは角?」
「角ね」
「つまり全ての角は角!」
「証明完了!」
「……これ文章で証明しようとすると絶対わけわかんなくなるよね」
「まあ、日本語のトリックってやつね」
右角の曲がる角度は街角の
確率的な変動予測