シーズン01 第040話 「クールステュ?」
「職場で賃金労働者がスーツにネクタイを締めないのがクールビズなら、学生が学校で制服にネクタイやリボンを着けないのはクールスチュなのかな」
「スチュじゃなくてステュよ」
「日本語だからスチュでいいの!」
「言いやすくなるならシミュレーションでもシュミレーションでもいいとは思うけど、クールスチュは言いにくいじゃない」
「クールステュも言いにくくない?」
「そんなことないわよ。それにスチュだとスチュワーデスみたいだし」
「そうか、クールビズのスチュワーデスがクールスチュで、クールビズの学生がクールステュ」
「というかビズってビジネス? ビジネスパーソン?」
「クールなお仕事でクールビズじゃない?」
「なら学生はクールな勉強でクールスタじゃない?」
「フィンランド語っぽいのでダメです」
「何がよ」
「フィンランドって寒いのにバナナ作っててすごいよね」
「それフィリピンじゃない?」
「あーーーーー!!!」
「叫ぶな」
「はい」
「でもフィから始まる名前の国はそうないから混ざるのもわかるわ。私もたまにやらかすもの」
「フィジー諸島」
「どこよ」
「国だよ」
「なるほど、太平洋に散らばってる島国のひとつね。でも諸島が後ろにくるから流石にフィリピンフィンランドとは混ざらないわよ」
「本当に? フィンランドも諸島だけど?」
「そうそう。首都のマニラは北部のルソン島にあるんだけど」
「フィリピンじゃない?」
「……にゃあああああああ!!!!!」
「こういうときは語源を使えばいいのよ。フィリピンの国名の由来は?」
「スペインのフェリペなんとかさんです」
「じゃあフィンランドは?」
「フィン人って人たちが昔いたんだったと思う」
「ならこの情報を使って思い出せば正確な方がとれるわね」
「でもフィン人って太平洋っぽくない?」
「あー、確かに」
「と思ったけど太平洋なのはフィジー諸島だった」
「うん、混ざってるわね」
「ちなみにフィジー諸島は元々日本の植民地で、富士諸島って名前だったのが訛ってフィジーになったのです」
「へー」
「まあ全部嘘なんだけど」
「おい」
「でもこれで覚えられたでしょ。富士山なのがフィジー諸島!」
「富士山な諸島ってなによ」
「知らない」
「でしょうね」
「要するにちゃんとした由来は大切ってことですね」
「まあ、偽物じゃ意味ないわね」
「ということでクールステュもといクールスチュの由来に関してもしっかり検証すべき」
「いやさっき作った造語でしょ両方」
「造語の語源がクールビズなのでクールビズに対する理解がクールスツ……スチュへの理解を深めるのだ」
「ほら、言いにくいじゃない。やっぱりクールステよ」
「ステ?」
「ステュ」
「……」
「…………」
「……夏服でいいか」
「そうね」
「ローマ字でテャ行を入力する時は……」
「いやちょっと待てテャ行って何」