シーズン01 第037話 「白い液体とか」
「そろそろココナッツの季節だね」
「ココナッツに旬は存在しないわよ」
「永久機関!」
「旬が存在しないというのはいつでもココナッツが無限に生成されるって意味じゃないわよ。バナナとかと一緒」
「え、でもバナナって一日置いておくと勝手に二つに増えてたりしない?」
「誰かが買い足してるのよ」
「なんと」
「なんとじゃないわよ幼稚園児でもそんな勘違いしないわよ」
「だってバナナって単細胞生物じゃん」
「単細胞生物は種子を作りません!」
「だからバナナには種が入ってないのか~」
「そうじゃない」
「しかし勝手に増えたと思っていたバナナが実は買い足されていたとは。ココナッツを粉砕する歌以来の今明かされる衝撃の真実」
「そんな歌はない」
「いやいや。ポケットでココナッツを叩く民謡があるじゃん。あれは叩いたら分割されるから増えてるんだってッていう話、聞いたことない?」
「それはココナッツじゃなくてクッキーの歌です。ココナッツを粉砕したら中の液体が飛び散るわよ」
「スコアが1000ぐらい入りそう」
「何のスコアよ」
「Cocona's Point」
「一切意味を感じられないポイントね」
「デイリーランキングに入るには一日100個ぐらい割らないといけない」
「まず一日に100個のココナッツを手に入れるところからして難易度が高すぎるわよ」
「グアムか沖縄に行けばすぐ手に入るんじゃないの?」
「沖縄を何だと思ってるのよ」
「熱帯雨林」
「仮にそうだとしてもココナッツばかり生えてるわけではないわよ」
「つまりあれはココナッツ人工植林計画……」
「ただの農園でも物は言い様ね」
「ココナッツは脳炎なんて誘発しないよ! 酷い! 風評被害!」
「あー、風評被害ってこうやって生まれるのね」
「ね?」
「ね、じゃないわよあなたが発生源よ」
「発生源は駆除しなければ」
「だからあなたが発生源なんだってば」
「ということで駆除されます」
「え?」
「駆除されたので寝ます。お休み~」
「そういうことね。はい、おやすみなさい。私ももう少ししたら寝るわ」
「あ、明日から暫く朝食はココナッツミルクだから」
「はいはい」
「……あれ?」
「玄関にある宅配の山を見て
覚悟してたわ」「申し訳ない」