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概念部屋《C-Room》  作者: トルネードおさげたん  トルネードG&T
シーズン01
34/173

シーズン01 第034話 「時論計論」

「時計、何で12時間で作ったのかしら」

「約数とシュメール人の話?」

「シュメール人?」

「シュメール人というのは時計屋さんの事です」

「絶対違うでしょ」

「正確には時計を作った人のことです」

「なるほど、その人たちが12時間を決めたのね」

「そうそう。OK?」

「へー、とは思うけれど今の問題はそこじゃなくて、何で24時間じゃないのかって話よ」

「昼と夜があるから」

「夜なんてありません!」

「すごいこと言うな」

「昔の人は一日が二日だったの?」

「それはうらやましい」

「そういうことよ!」

「どういうこと?」

「私もよくわからなくなってきた」


「要するに、日よりも弱い午前と午後で時計を二分割するなって話?」

「概ねそういうことね」

「そうは言うけど、昔の人は夜は寝てるじゃん」

「それが?」

「つまり夜なんてなかった」

「そうか、元々一日は12時間しかなかったわけね」

「そうそう、それが文明の発展で地球の裏側に植民地支配が及ぶに至り、夜が発見された」

「そこで12時間が24時間に拡張されて使える時間が二倍に増えたのね」

「それが現在に至る文明発展、ひいてはフランス革命に繋がったんだよ」

「で、どこからが思いつき?」

「昔の人は夜寝てる」

「いや、そこは多分あってるわよ」


「まあシュメール人の皆さんは元々12分割大好きクラブだから昼間を12分割したっていうのは正しい推測だと思うけど」

「シュメール人の12分割っていうと他には何があるの」

「月とか」

「あー」

「干支とか」

「へー」

「冠位十二階とか」

「……ん?」

「そんなこんなで、昼だけ動く時計を作ってたんじゃない?」

「確かに、昔はニュートン力学がなかったから重力を操れない人は立ってるのすら難しかったでしょうし」

「それはない」


「あれ? それなら起点がおかしくないかしら」

「というと?」

「昼を12分割、残りの夜を後で12分割して合わせて24時間ってことなら、日の出から0時を始めるべきじゃない」

「0はない」

「む、となると基点という概念すらなかったのかしら」

「基点はあると思うけど、日の出日の入りは動くじゃん」

「あれ、シュメールって赤道国家じゃないの」

「赤道に文明はない」

「いやそれはあるわよ」


「いずれにせよシュメールはメソポタミアです」

「メソポタミアって」

「ティグリス・ユーフラテス川流域」

「迷宮入りの気配がしてきたから座標で教えて」

「座標は……正かな」

「全然バインドできてないじゃないの!」

「あと北半球」

「もう少し頑張りなさいよ」

「じゃあ逆に聞くけど日本の座標分かる?」

「うっ……」

「……これ、座標言っても迷宮入りだったのでは?」

「そうね、諦めましょう」

「そうしましょう」


「で、結局時刻の基点はどこを使ってたのかしら」

「多分南中だと思う」

「あー、確かに昔の人は重力がわからなくても南中高度がわかったりするのよね、不思議なことに」

「生活に直結してるからね」

「南中高度、日常生活で使う?」

「カレンダー代わりに」

「おお」

「で、その南中を12時として時計をデザインしたと」

「そこよ。それは1日24時間の時の話じゃない。12時間なら-6時から+6時にすべきよ」

「0がないから正負の数もないからね」

「あーー!!!!!」


「思ったより難しいねえ、時計デザイン」

「やっぱり昔から24時間で設計されて、いやそれだと最初まで話が戻ってしまうわね」

「ループしたしやめる?」

「……そうね。今回は私たちの負けね」

「誰と戦ってたんだ」

「世界」

「すごい」

「ちなみに今何時かしら」

「20時前だねー」

「うーーん、正しい!!」




 デジタルの時計で表記してるのに

   1~12なの何なんだ

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