シーズン01 第030話 「謎の名産品」
「豚骨ラーメンって字面だけ見ると地獄の食べ物みたいよね」
「豚骨ラーメンに骨は入ってないよ」
「それはそれで詐欺じゃない?」
「湯葉に葉っぱが入ってないのと同じ」
「私湯葉って知らないのよね」
「豚骨ラーメンみたいなもんだよ」
「それが嘘なことぐらいはわかるわよ」
「おお、優秀優秀」
「誉めればどうにかなるってものじゃないわよ」
「まあ、私も湯葉食べたことないんだけどね」
「これは迷宮入りパターンね」
「でもなんか豆腐っぽい気がする。名前的に」
「湯豆腐に引っ張られてない?」
「引っ張られてるとしても湯豆腐みたいな格の低い食品ではない」
「湯豆腐に何の恨みがあるのよ」
「恨みとかじゃなくてほら、日用品じゃん」
「日用品ではないわよ」
「日……日……日常茶飯事?」
「それも違う」
「じゃあ湯豆腐はいったい何者なんだ!」
「謎が増えたわね」
「やっぱり不確実性が高いもの同士、湯葉は湯豆腐なのでは?」
「わからないわよ。私も知らないもの。そもそも湯葉ってどこの食べ物よ」
「国内」
「もっと頑張って」
「本州・四国・九州のいずれか」
「離島と北海道を除外しただけじゃないの。というか本当は北海道だったりしない?」
「北海道の名産は湯葉より熊でしょ」
「熊は食べません」
「食べない? 刑務所の労役で狩りに行ったりしない?」
「刑務所を何だと思ってるのよ」
「じゃあ熊にとって北海道が名産」
「それは……正しい」
「ということで湯葉の産地は本州その他に絞られた訳ですが」
「本当に限られたのかしら」
「冷静に考えたら湯葉って名前なんだしどう考えても温泉地の食べ物じゃん」
「確かに」
「そして湯葉は豆腐」
「それも既定路線なのね」
「つまり、湯葉は温泉で温めた湯豆腐!」
「……それって名産にするほどのもの?」
「こらっ!」
「そもそもさっきから湯葉の湯ばっかりに着目して考察してるけど、葉は?」
「じゃあ温泉で温めた湯豆腐に柏の葉を巻いたもの!」
「強引に解決したわね」
豆乳を加熱した際表面に
生成される精進料理