表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
概念部屋《C-Room》  作者: トルネードおさげたん  トルネードG&T
シーズン01
3/173

シーズン01 第003話 「乾果実種子類混合袋」

「豆の収穫時期ね」

「何の?」

「ストロベリーよ」

「苺は豆じゃないでしょ」

「まあまあ、それじゃあ考えてほしいんだけど、ラズベリーは豆?」

「違うけど」

「じゃあクランベリーは?」

「豆じゃない」

「ブルーベリーは?」

「豆ではない」

「ということはストロベリーは?」

「完全に豆ではない」

「……うーん」

「そりゃそうでしょ」


「白状するとね、フルーツミックスナッツの話なのよ」

「ナッツも豆とは限らんからな」

「少なくともピーナッツは豆よ」

「カシューナッツは?」

「あれは種子的なやつね」

「じゃあカシューナッツを還元して地面に植えればカシューナッツ生成木が生えてくるわけか」

「さらっと煎り豆理解してますよアピールを入れてくるところがあざといわね」

「カシューナッツって豆なの?」

「……豆ではないわね」

「ピーナッツは?」

「あれは豆ね」

「ピーナツは?」

「バター」

「確かにそんな気がする」

「でしょう」


「そういえば苺みたいな名前の電気器具あったよね」

「それはストロボ」

「ストロボ再生! って誰の技だっけ」

「治癒能力の名称じゃないわよ」

「じゃあ何能力なんだ!」

「能力じゃなくて写真的な何かよ。よく覚えていないけれども」

「写真は光属性だし治癒もいけるのでは?」

「光の扱いが雑すぎるわよ。さてはあなたIHクッキングパットも光のおかげで温まってるとか思ってるタイプね」

「いや、あれはガスの力だよ」

「ガスを使わない生活が売りなのになんでガスで温めてるのよ」

「ガス抜き」

「爆発すればいいのに」

「爆心地になれたらそれは台風の目なんかよりもよっぽどすごいことですよ奥さん!」

「うるさいわね頭にきのこ植え付けるわよ」

「そしたら一日中寝られ……いやそれは昏睡状態か」

「実際のところきのこの胞子浴びたら睡眠効果よりも花粉症の発作が出そうよね」

「というか頭にきのこがあれば無限にUPし続けられるのでは」

「巨大化して最終的には破裂するかもしれないわよ」

「それは嫌だ」


「あきらめて無限に亀を踏み続けるのが無難ね」

「この辺には良い感じの段差がない」

「じゃあ左右から飛んでくる鳥を踏みながら滞空し続けるとか」

「スズメは実は天然記念物なんだなこれが」

「ハトは?」

「こけっぽー」

「頭が鳩に毒されてる上にニワトリが混じってるわね」

「鳩毒ってどこにあるんだろう」

「鳩は口に入れてるものすべてが毒よ」

「偏見がすごい」

「それをクッキーでかたどって焼くのはもともと平安時代の呪いが期限という話もあるわ」

「偏見で正常な判断が失われてる」

「伝書鳩だってもとはといえば対象を怪しまれずに毒殺できるから発達したのよ」

「偏見が神話として語り継ぐことができるレベル」

「まあこれに懲りたら二度と鳩に故意に餌をあげないことね」

「二重主語初めて聞いた」

「鳩と鯉の二重主語ではありません」


「で、鳩にあげないとしたら結局このフルーツミックスナッツ2kgはどうするわけ?」

「まあ……朝食にでもゆっくり食べていきましょうか。幸い賞味期限は長いわよ」

「これ、朝学校の前に来てた屋台で売ってたやつだよね」

「そうね」

「いくらで買ったの?」

「大丈夫、今月の食費に影響は出ない金額よ」

「いくら?」

「何なら週末に焼肉に行っても良いぐらい予算は残ってるわ」

「焼肉! で、ナッツの値段は?」

「まあその、5桁未満よ」

「具体的には?」

「……1480円」

「逆に不安になるぐらい滅茶苦茶安かった」




 苺とかバナナとかブルーベリーとか

    全部ナッツで良いと思うの

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ