シーズン01 第020話 「di: dictionary」
「辞書って何ページぐらいあるんだろう」
「物によるでしょうけど、国語辞典だと2000ページぐらいかしら」
「なるほど、10巻か」
「生活に詳しくないのなら仕方ないけれど、辞書は普通一冊にまとまってるのよ」
「うん、だから2000ページでしょ? 10巻入るから色々できそうだなって」
「辞書に何を収録するつもりなのよ」
「10巻完結の中編漫画が1冊でって良くない?」
「辞書の紙は高くて漫画の紙は安いのよ」
「金ならある」
「出版社にないのよ」
「じゃあ電子書籍で」
「意味なくない?」
「はっ、しまった」
「でも辞書ってテキスト容量で見たらかなりお買い得よね」
「漫画の方が100倍ぐらいデータ量あると思うけど」
「データ量は動画に任せておけば良いのよ」
「動画本はまだ実用化されていません」
「実用化される見込みはないわよ」
「じゃあいいじゃん」
「何がいいのかわからないけど良いんじゃないかしら」
「ということで辞書の漫画が欲しい」
「諦めが悪いわね」
「そうじゃなくて、漫画が書かれた辞書」
「漫画辞典ってこと?」
「いや、項目ごとに一本の漫画が描かれてて、漫画自体が意味解説と用例紹介になってるようなの」
「無茶苦茶な要求をするわね」
「まあ、ひとつの単語に一ページぐらいは使っても良いとしよう」
「何で上からなのよ」
「2000ページあれば中学で習う英単語なら全部収録できるし、いいと思わない?」
「歴史は漫画化できても辞書は漫画化できないわよ。英和辞典だとして、例えば "a" の漫画とかどうするのよ」
「そこはもう天才的な作者にaっぽい雰囲気を出してるような漫画を描いてもらえればすべて解決」
「さらっと無茶苦茶な要求をするわね」
「いやでもaでしょ? aってほら……aじゃん」
「少なくともあなたには辞書を編纂する能力がないことは分かったわ」
「まあ結局辞書はどうでもよくて」
「なんなのよ」
「辞書の紙で何かしたいの!」
「折り紙を折るとか?」
「そういう幼稚園の工作みたいな何かじゃなくて」
「辞書の紙は辞書を刷るためにあるのよ」
「じゃあ辞書の紙で小説を刷るのは? 漫画じゃなくて小説でもちゃんと10巻分入ると思うけど」
「漫画にせよ小説にせよ売れないと意味がないのよね」
「単価……高級品……あっ、画集は?」
「印刷じゃちょっとね。というかさすがに辞書の紙でも多少は裏面が透けて見えるし」
「文字じゃないと難しいってこと?」
「そうね。そういう意味では漫画も内容によっては読みにくそうね」
「じゃあ間をとってアスキーアート集」
「無理」
行間を読めってことで小説の
偶数行だけ出版すれば




