シーズン02 第067話 「テイオン都市国家群」
「英語のtionをティオンと読むとギリシアっぽくなる」
「例えば?」
「クエスティオン・マーク」
「確かに偉大な政治家クエスティオンにちなんで名付けられた記号っぽさがでてきたわね」
「ハテナマーク多用する政治家偉大か?」
「無知の知に関連した話かもしれないじゃない」
「ギリシアだ」
「ギリシャだからよ」
「ギリシアではないけどね」
「確かにそれっぽいわね。他にはあるかしら」
「イントネーションが、イントネティオン」
「インドネシア諸島を開拓した古代ギリシャの政治家ね」
「いない政治家すぎる」
「無い語の話だから多少は仕方ないわよ」
「けどそうなってくるとインドネシアとイントネーションを繋ぐエピソードがないといけない」
「それはほら、あまりにもギリシャ本土から離れすぎたために、ギリシャ語の発音の調子が本国のものと異なってしまったのよ」
「イントネティオンさんが?」
「いえ、イントネティオンさんは別に変わらないのだけれど、入植したギリシャ人の子孫が現地の人々の話す言葉に影響されて話し方の異なるギリシャ語が生まれて、それがインドネシア諸島の差ということでイントネーションの差と呼ばれるようになったのよ」
「新たな島の歴史ができてしまった」
「実際そういうことってあるわよね、確か」
「そういうことというのは、ギリシアのインドネシア植民?」
「いや、それはないわよ」
「あとは、コンクルシオン」
「コンクルージョンね。これも政治家、特に皇帝とかその辺ね」
「コンスルだね。……って、ローマじゃん」
「ローマもギリシャよ」
「違うが」
「インドネシアがギリシャの世界なんだからローマがギリシャでもなにもおかしくないわ。現にコンスルじゃなくてコンクルシオンに用語が変わってるわけだし」
「コンクルシオン、執政官の意味だったか」
「最終決定権を持つのが古代ギリシャのコンクルシオンで、そこから今の『結論』という抽象的な意味なたち現れてきたのよ」
「すごい! 全然違うのにそこそこ説得力がある!」
「ふふふ、これもローマの力よ」
「ローマなのかギリシャなのかはっきりして」
「すべての道はローマに通ず」
「つまり?」
「ギリシャもローマなのでイコールで結ばれる両者は区別しなくて良いのよ」
「なるほど! なるほだないけど!!」
「最後にもう一個ぐらい欲しいわね」
「レボルティオン」
「うーん、何かひっかかるけれど」
「じゃあ、レーヴォルティオン」
「ちょっとフランスっぽいのよね」
「フランス革命に引っ張られてるだけでは?」
「それはあるかもしれないわね」
「フランスもローマ説は今回は禁止な」
「完全にローマの話になってきてるわね」
「フランス語はラテン語系なので」
「それもそれで引っ張られてるだけじゃない」
「はっ!」
「何かおかしい気がするのはもしかしたらギリシャ語にはVとかBがないのかもしれないわね」
「いや、ベータがあるでしょ」
「あれはほら、人名に使えない字なのよ。日本語でも使える漢字とか決まってるでしょう?」
「表音文字でそれやる?」
「ギリシャはやるのよ」
「理由をギリシャにすればなんでも許されると思ってません?」
「今日はそういう日よ」
「確かに」
グレートの語源がギリシャだとしたら
君はこれからどう生きるのか