シーズン01 第016話 「オーシャン怪獣生物学」
「タコとイカってさ、それで終わり?」
「多足の生き物が他にもいないかってこと?」
「そうそう」
「それなら簡単よ。例えばダンゴムシ」
「水中」
「じゃあクラゲとかどうかしら」
「食べられないじゃん」
「食べられるわよ。もし食べられなかったら北陸地方はとっくに人の住めない地域になってるはずよ」
「北陸とクラゲの間に何があったんだ」
「ちょっと前から巨大クラゲがでるようになったのよ」
「怪獣映画かな?」
「仕方ないでしょう出たものは出たんだから」
「どうやって倒したの?」
「だから、食べたのよ」
「すごーい」
「信用してないわね」
「要するにダイオウイカ的な奴でしょ」
「的なやつね」
「となるとイカとクラゲにあるからタコにも巨大なのが欲しくなってくるな」
「タコはそういうのはいないんじゃないかしら」
「クトゥルー?」
「それが許されるならクラーケンとかヤマタノオノチとかも有りになっちゃうじゃないの」
「クラーケンはダイオウイカなのでセーフ」
「ヤマタノオノチは?」
「巨大ワニの尻尾を縛って一体にしたやつ」
「無理があるわよ」
「ワニとサメは自由だし鰐は鮫なんだからいけるのでは」
「どういう意味よ」
「古語では鰐は鮫のことを指すのだ」
「へー、知らなかったわ」
「同様に鰻は鯰のことを指すし」
「へー」
「こっちは嘘です」
「おい」
「この手のやつだとほかには葡萄と書いてエビと読む、とかね」
「これは本当でしょうね」
「本当だよ。ちなみに意味はブドウの方。エビはよく知られてる海老って字だね」
「そういえば気づかなかったけど、エビも多足海洋生物ね」
「おお」
「カニとかヤドカリとか、海の中って結構多足生物が多いのね」
「たしかに」
「ちなみに今思い出したけど、最初に否定されたダンゴムシも海の中ではグソクムシって名前で生息してるわ。ダイオウグソクムシっていう巨大なやつもいるわよ」
「また怪獣の話してる」
「怪獣じゃなくてちゃんと実在の生き物よ!」
「ていうか私たちさっきから映画を見てるはずなのにほとんど画面見てないわよね」
「だって特に内容ないし」
「消す?」
「こういうのは最後まで再生することに意味があるんだ」
「100円コーナーから雑に借りてくるんじゃなかったわ」
「大丈夫大丈夫、この映画はこういうの枠で借りてきたやつだから。ほかのはちゃんと面白いから」
「その言い方、さては知ってたわね。ちゃんと止めなさいよ」
「タイトルと表紙からして自明に地雷だからわざとやってるのかと思ってた」
「うぅ……」
ビデオ屋の100円棚のサメ映画
ワニ映画などは大体地雷