シーズン01 第015話 「可能性制御」
「クリーニング屋から制服を取ってきました」
「はいお疲れ様。着ていった私の制服は元あった場所に掛けておいてね」
「これ制服のサイズ同じだしデザインもリボンを除いて同じなんだし、もういっそ制服の方も共用にしない?」
「ダメよ。あなたすぐ汚すから」
「そう?」
「持ってる制服を全部汚して着る服がなくなったから私に借りる羽目になったんでしょ」
「ごもっとも」
「なのでダメです」
「あ、じゃあそっちも私と同じぐらい汚すようにすれば解決なのでは」
「無駄行為すぎるわよ」
「じゃあクリーニングに出す頻度だけ合わせる」
「それをやると両方とも着る服がなくなる」
「よし、平等性は保たれるな」
「どこも平等じゃないでしょ」
「まあ、そういわれると思ったので追加で制服を買ってきました」
「それが無難ね」
「三着」
「多いわよ」
「これでクリーニングにおびえて暮らさなくて済むようになる」
「普通は二着で足りるわよ」
「でも現に足りなくなっちゃったし」
「クリーニング屋を使いすぎなのよ。カレーが爆発したのはともかくとして水を被っただけでクリーニングに持っていくから着るものがなくなるのよ」
「ほら、きれい好きだから」
「ダウト」
「きれい好きだけど掃除するのが嫌いなだけだから」
「生活力がなさすぎるのよ。ゴールデンウィーク中はお掃除の人もお休みだから自分で掃除しないとだめよ」
「うーん、となると極力部屋に帰らない……いや逆転の発想で極力布団から出ない……」
「ダメ人間まっしぐらね。っていうか布団から出ないでどうするのよ」
「そうだった。映像とか書籍とか何もないんだった」
「サイコロなら借りられるけど」
「うーん迷う」
「迷うな」
「とりあえずお布団!」
「ってこら、私の制服のまま寝るな!」
「あー布団が―」
「戻ってきたた方でも買ってきた方でもいいから自分の制服に着替えなさい。出かけるんでしょ?」
「おお、そうだった。お昼ご飯も向こうで食べる?」
「そうね、連休だからここの食堂も閉まってるし」
「クーポンの焼肉が使えるようになるのは夜からだからそれまで……ってあれ、クーポンどこ置いたっけ」
「はいこれ。二枚とも机の上にずっとあったわよ」
「おお、感謝感謝。それで使えるのは――あっ」
「さては期限切らしたわね」
「いや、期限はゴールデンウィーク中で大丈夫なんだけど、この券一枚で一人分だと思ってたら、一枚で二人分みたいなんだよね」
「……なるほど、悩ましいところね」
可用量以上の財を得られても
基本まとめて機会損失