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概念部屋《C-Room》  作者: トルネードおさげたん  トルネードG&T
シーズン02
148/173

シーズン02 第048話 「時輪割(チワワ)」

「午後って午前より長くないか?」

「そんなわけないでしょ」

「確かにそんなわけないのだが、実はそんなわけが」

「ない」

「島の取っ手が失われた……」

「は?」

「とりつく島もない、ということ」

「とりつく島もないのときにとりつこうとしてるのって取っ手とは少し違う気がする」

「鳥取」

「鳥取ではないのは確かね。あと島もどこかに行ってしまってるし」

「島の隣なので、当然島に取り付けることはできない」

「島根の話?」

「島根の話」

「隣接してるということはむしろ凹凸があれば取り付けられることを意味してるんじゃないかしら」

「なんと!」

「まあ、そもそもとりつくのであって取り付けるのではないわけだけれど」

「島は難しい!」

「島のせいにするんじゃありません」


「ということで、とりついて欲しいのですが」

「何の件だったかしら」

「午前と午後」

「の長さが」

「不均衡」

「だから、午前は0時から12時で、午後は12時から24時。見ての通り全く同じじゃない」

「現象としてはそうなんだけど、我々はだいたい22時とかに寝るでしょ?」

「そうね。最近少し遅くなってきたかしら」

「で、起きるのが7時かその前ぐらい」

「そんな感じね」

「と、起動時間でいうと午前が5時間なのに対して午後が10時間と実に2倍の長さが存在する」

「それはそうだけれども、実時間としては同じわけだし」

「結局何が言いたいかというと、『雨のち晴れ』は午後における情報量が小さすぎる!!」

「急に話が空まで飛んだわね」


「実は最初から天気の話のつもりだった」

「最初から雨のち晴れの話をすれば鳥取県とかに行かずに済んだのにね」

「いや、鳥取は砂漠だから常に晴れなので、結果には影響しない」

「訂正しきれない誤りの塊を放り投げるな」

「誤り土石流」

「砂丘に土石流は……じゃなくて、天気ね」

「天気です。午後の」

「でも、雨のち晴れとか晴れのち雨とか、結局午前と午後の話をしているのであれば、情報の大きさとしては均等で私たちの利用の仕方に問題があるんじゃないかしら」

「というと?」

「午後に2時間、午前に7時間寝るって生活習慣は私たちが勝手に選択したもので、地球のリズムから外れたことをするから天気予報情報のありがたみがぶれてしまうのよ。ちゃんと午前に4時間、午後に4時間と均等に寝れば活動時間も均等になって天気予報情報の得られ方も適正化されるはずよ」

「つまり、朝8時に寝て夕方4時に起きるのが」

「意図した睡眠方式とちょうど12時間逆なのよね」


「夜行性の薦めではなかった」

「天気予報は朝にやって昼間の天気を主に伝えるから夜行性になるとそもそも情報を得られなくなるのよ」

「ふっふっふ、それはテレビ天気予報システムに限った話。最近はテレビ天気予報以外の選択肢も色々あるのです」

「でも『晴れのち雨』みたいな言い方するのってテレビ天気予報だけじゃない?」

「事実だ」

「ということで、朝4時半に起きてその日の天気を確認し、2時間の農作業をしたあと朝食を食べる。その後9時から12時まで畑の世話をして昼食、13時から17時まで働いて日が傾いてきたら家に戻り、夕食を採ったら19時半には就寝。これを繰り返すのが天気機関の想定する天気予報適合的生活スタイルなのよ」

「……午前の労働時間が5時間、午後の労働時間が4時間になってない?」

「それは良いのよ。近くの天気予報より遠くの天気予報の方が当たりにくいわけだから、情報が確かな午前のうちに長時間働いておくべき」

「ちなみに雨が降ったら?」

「どうしようかしら。農業詳しくないからその辺の対策よくわからないのよね」

「あ、でもほら、鳥取は雨が降らないから」

「だから違うわよ」

「土石流が降るんだっけ」

「両極端!」




 土石流のみから水の獲得が

   できる試されすぎた大陸

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