シーズン02 第044話 「ばぶばぶバブル判定会」
「泡って、直感的にプラスとマイナスで言うとどっちなんだろう」
「泡……バブル経済の話?」
「バブル経済はマイナス」
「バブル経済の中にいるうちはハッピーではあるんじゃないかしら」
「でもしぼむし。バッドエンド確定劇場みたいな」
「しぼむ前に物語を終わらせればハッピーエンドよ」
「物語を終わらせる……国家転覆?!」
「バブル絶頂からの国家転覆、最も熱いコンテンツのひとつね」
「感想に倫理観が無さすぎる」
「良いのよ、何せバブルなんだもの」
「バブルなら仕方ないか」
「で、バブル経済は結局関係あるのかしら」
「無い」
「なるほど」
「泡はバブル経済みたいな比喩じゃなくて、本物の泡」
「水とかの?」
「炭酸とかの」
「なるほど。泡にプラスもマイナスもなさそうだけれど」
「いやほら、石鹸ってあるじゃん」
「あるわね」
「泡立つじゃん」
「泡立つわね」
「何故」
「そういう物質だからよ」
「そうではなく」
「そうなのよ」
「そうなのか」
「で、それはそれとしてどうなの?」
「何故人間は泡立てて除菌とか言う発想に至れたのか」
「あー、確かに泡という現象だけ見ると体に良さそうな感じは全くしないわよね」
「水より泥水の方が泡立ちがいいまである」
「それは現代の排水に油とかが混ざってるからじゃないかしら」
「あれバクテリアとかその辺由来な気がしないでもない」
「その辺どう影響するのかはわからないし、昔からそのままと仮定しましょうか」
「泥水や汚水の方が泡立つ」
「そうね」
「つまり石鹸水は汚水」
「違うわね」
「違った」
「勢いで違うわねとか言ってしまったけれど、生活排水の石鹸水なら汚水扱いね」
「使用済み石鹸水」
「汚れを吸着し終わったあとって感じね」
「やはり古の自然において泡はマイナスの兆候でしかなかったのではないか」
「うーん、でも白い泡だと話が違ってくるとかじゃないかしら。ほら、川とかのきれいな水の泡とか透明じゃない」
「つまり白ければ綺麗と」
「おおむねそんなところの関係があるんじゃないかしら」
「ということは古代人は、夏は石鹸で、冬は雪で体を洗っていた」
「そういう考え方もあるわね」
「いや、無いでしょ」
「低温殺菌ってあるじゃないの」
「そもそも雪は氷点下なので当然マイナス」「それに対して石鹸は常温だからプラスというわけな」
「このようにして、日々の生活からなるべくマイナスを遠ざけることで、皆さん元気に暮らして参りましょう」
「あら、でもマイナスイオンはマイナスだけどプラス要素よね」
「正負理論、終末……」
「儚いバブル理論だったわね」
泡は泡であると言えるがその泡を
固めたものも泡であるのか