シーズン02 第042話 「崩壊竜 リボルビング・ワイバーン」
「リボ払いのイメージキャラクターは拳銃の意匠を取り入れることを義務化すべきなんじゃないかしら」
「犬戎って、四夷の?」
「四夷?」
「東夷・北狄・西戎・南蛮」
「なるほどだけど、犬戎がどっか行っちゃってるわよ」
「お察しの通り西戎です」
「察せられるけど市井の人間としてはもう少し良い説明がほしいところね」
「察せられない市井の人間、無限にサーカスでも見ていてくれ」
「その表現の元ネタがわからない市井の人間でも残念ながら侮辱的表現であることは感づいてしまうわよ」
「残念」
「で、四夷の犬戎を用いたキャラクターを作れって話じゃなくて、武器の方の拳銃ね」
「犬戎の武器は騎馬民族ということを考慮すると」
「じゃなくて」
「撃つ方の拳銃?」
「乱射する方の拳銃ね」
「過激派じゃん」
「いや私は乱射しないわよ」
「過激派じゃないじゃん」
「過激派であって欲しかったの?」
「若人は過激派ぐらいがちょうど良い。季語、過激派」
「七五調になったからって無理に俳句にしようとしなくて良いし、過激派は季語ではないわ」
「冬の季語だが?」
「どこがよ」
「冬は過激なので」
「主観が過ぎる」
「話を整理すると、リボ払い銃乱射ドラゴン」
「そこまでは言ってない」
「リボ払い銃乱射リザード」
「トカゲはドラゴンより弱いとかいう話ではなく」
「そんなことは言っていない」
「どんなことを言ってるのよ」
「話を戻し」
「ちゃんと戻すのよ」
「リボ払いをしようとする人間を拳銃で脅すべき」
「そうね」
「それは言ってた!」
「リボ払いの正式名称って知ってるかしら」
「何だっけ」
「リボルビング払いよ」
「おお、強そう」
「それもそのはず、日本語でリボルブっていう動詞を聞くことがあるのは基本的に銃のリボルバーしかないからそういうイメージが想起されるのよ」
「リボルビング払いで買ったリボルバー」
「二重に良くないわね」
「を使ってレボリューション」
「革命の混乱に紛れて支払いを踏み倒すつもりね」
「そこにリボ君の魔の手が」
「そう!! それよ!!!」
「どれ???」
「マスコットのリボ君は、拳銃であるべき」
「そして毎日自分に銃口を向けてリボ君の引き金を引くことで借金を背負ってしまった自らを追い込むべき、とまでは」
「言うわね」
「言ってた!!」
国連の安全保障理事会で
採択されたゆるキャラ条約




