シーズン02 第032話 「納得のウィンター はい [いいえ]」
「今日から冬ね」
「全然納得できない」
「まあ、制服上の区分でしかないし、夏服と冬服しかないのがそもそもの問題なのよね」
「二期にするなら乾服と雨服にしてほしい」
「この国に乾季と雨季はありません」
「雨が降ったら雨季、晴れたら乾期」
「雪は?」
「冬」
「なるほどね」
「ということで今日から乾期です!」
「まだ少しだけ台風が来る確率は残ってるような気がするけれど」
「雨季!」
「それは暴論」
「夏日に冬とか言い出すよりは暴力性に対抗するにはこうするしかなくない?」
「抑止力ね」
「すでに殴り合ってるので抑止力ではない」
「戦争ね」
「戦争反対!」
「講和条約を結びましょうか」
「誰と?」
「……冬服かしら?」
「冬服を着たので戦争が終わりました」
「平和が得られてよかったわ」
「戦争が続いていたら学校のスプリンクラーを作動させるなどしなければいけなかったので大事に至らずによかった」
「何でよ」
「雨季なので」
「スプリンクラーをまくのは乾燥してるからであって、むしろそれは乾期的振る舞いなんじゃないかしら」
「いや、保湿でスプリンクラー撒かないでしょ」
「撒くならミスト?」
「あれも目的としては冷却だからちょっと違うわよね。もちろん保湿にもなるけど」
「冬服は暑いので正しい」
「本当の冬なら暑くないのだけれどもね」
「まだ乾期だからね」
「おとなしく冷房でもつけましょうか」
「やはりまだ夏なのでは」
「でもほら、こたつアイスってあるじゃない。構造的にはそれと同じよ」
「……逆では?」
「逆は同じ」
「一理ある」
「冬ならば冬服になる」の対偶は
「夏服の奴が居ればまだ夏」