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魔女との生活 アオバver


バリッ‥…

グシュッ‥…

目の前で幼女が私の腕をかじっている。

異様な空間だとは思うけど、腕を引きちぎられて

こんな心穏やかに見つめている私は狂ってると思う。


「はっ?!私ったら夢中に‥…」


顔と口を赤く染めて照れてる幼女

食いかけの腕から血がポタポタ垂れているので早くそれを平らげてほしい。

そうしないと私の腕戻らないし。

その事を伝えようとするも、弄らしつつ、楽しみつつの彼女を見てるとそんなことなど言えず

結局食べ終わるまで静かに見守っていた。


「ぷふぁあっ、美味しかったぁ‥…」


腕を食べ、水を一気に飲み干したルルイエの口回りを拭いて綺麗にする。

彼女と一緒に暮らし始め数日‥…

私は彼女のご飯兼世話人として毎日を楽しく過ごしている。


「何処にも行くとこ無いならうちで暮らしなよ‥…それで‥…たまにかじらせて?」


可愛らしく微笑む幼女‥…

と言うより、必要とされてることに喜びを感じた私はあの時頷いた。

復讐にいこうと無理矢理連れ出された日の事だ

おかげで何もなかった私の日常はキラキラとしたものに変わり

死ぬことにこだわっていた私は少しそれも薄れ

今では前より楽しい毎日がおくれていると思う


「それで、今日はな‥…」


食事の時間を終え

私の膝の上に座り講義を始めようとするルルイエ。

この世界で暮らすために‥…

そう始まった講義ももう多岐にわたる。

初めて教わったのは‥…そう、世界情勢だったかな?

この世界はよくある剣と魔法の世界。

科学が発展しなかった世界で文明度は中世辺りだそうだ。

ただ、私みたいな異人と呼ばれる異世界人が持ってきた知識の為

所々暮らしやすい世界になっている。

例えば、食文化は結構発展してた。

味噌だったり、醤油だったり

日本人にあると嬉しい物が結構ある。

ありがとう名も知らぬ誰か。

そして剣と魔法の世界にありがちな魔王や勇者もいるらしく

それぞれ争っているとか

でも今の魔王も勇者もルルイエに勝てないらしく、殆どちょっかいかけてこないそうだ。

色々問い詰めたが、何で魔王も勇者も勝てないかは教えてくれなかった。


「で、あるからーー」


膝の上のルルイエは今、魔法について話している。

これは世界情勢を聞いた後に教えて貰っているが多分忘れてまたしゃべってるのだろう。

ルルイエは結構、天然である。

この前なんて、一緒に寝ていたら無意識で魔法を爆発させ私の四肢は吹き飛んだ。

それに朝まで気づかず、抱き枕にされてたのはいい思い出

朝、血が飛び散った部屋にビックリしてたルルイエは可愛らしかった。と言っておこう

さて、話を戻す。

魔法だが、残念ながら私は使えなかった。

適正はあったものの

体内魔力がゼロだったので使えないそうだ。

この世界で人は、魔法を自信の中に眠る魔力を使い発動する。

少なくとも、この世界で生まれた存在は魔力をもって生まれるので使えない人はいない。

ピンからキリまであるそうだが。


「よし、これで今日のお勉強はおしまい。」


「はいっ。お疲れ様です。」


私はルルイエの前に人差し指を差し出す。

最近の彼女のブームは私の人差し指を食べること。

それも一気に食べるのではなく

隅から隅まで舌を這わせ

まるで飴を舐めるかのごとく執拗にして口の中で味わうのが好きだ。

この時間は私の楽しみでもある。

なんとも言えない不思議な感覚に包まれ、食べられる時には頭の中が白く弾ける。

彼女のご褒美と私のご褒美

両方かね揃える最高の時間だ。

ルルイエが人差し指を頬張った。

あぁ、始まる‥…

考えるのを止め、私は人差し指に全神経を注ぐことにした‥…

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