ベランダで幼なじみと見た虹の先には。
なろうラジオ大賞6に向けて書きましたが、あえなく時間切れとなりました。
作者名同様、ちょっとのんびりしすぎました…泣
せっかく書いたので、どたなか優しい方読んでください。
雨は嫌いだ。サッカーの練習休みになった。大雨じゃなかったし、なんならちょっと晴れそうだし…。「練習できたじゃん、もうすぐ中学最後の大会っていうのにさ…」とぼそっとつぶやく。
家でのんびりするっていっても、なんかぱっとしない。それに家にいたら、マンションの隣の家に住むアイツののこと考えてしまう。
引っ越してきたタイミングも近く、隣同士ってことで母さんたちが仲良くなり今に至る。
小さい頃は幼稚園行くのも、帰ってきてからもずっと一緒に遊んでいた。いつから一緒にいなくなったか?あぁ俺が小3でサッカー始めたくらいからか…。でも小学校までは休みの日は遊んでたか…。
中学に入って、仲良くしてたら周りからからかわれて、俺が嫌で距離とった。真愛って読んでたのも高橋に変えた。あいつは未だに創ちゃんって呼んでる。「恥ずかしいから変えろ」と言っても、「今さらだよ、だって創ちゃんは創ちゃんだから…」と言っていた。
優しすぎて、ちょっと世話焼きで…、ほんと誰にでも優しくて。真愛のことを考えるとなんかモヤモヤする。その理由が好きなのかもしれないと気づいたのは最近だった。
はぁーと深くため息をつき、ベッドに横になる。
あ!!俺はあわててスマホをとる。
その時、同じくベッドでゴロゴロしていた真愛のスマホが鳴る。
「え?創ちゃん?電話なんで?」と慌てて出る。
「なぁ真愛!今家にいる?外見てみろよ」と突然言われた。
久しぶりに真愛って呼ばれるとドキッとしちゃうよと思いながら部屋のカーテン開けると、電話の理由がわかった。「わぁーきれいな虹」と思わず声をあげる。
そこにはきれいなアーチの虹が目の前にあった。
「だろーっ良かった真愛が家にいて」
マンションのベランダの隣同士で大きな虹を眺めていた。それからお互いの部活や進路など久しぶりにたくさん話した。「こんな虹が見れるなら雨も悪くないな」とぼそっと俺がいうと、「だねー、今日遊びの予定キャンセルなって落ち込んでたんだ、でも気分爽快、久しぶり創ちゃんの真愛が聞けたしね」と真愛が言う。
そこで真愛と普通に呼んでいたことに気づいた俺は急に恥ずかしくなった。恥ずかしさついでに「なぁもうすぐ最後のサッカーの大会なんだけど、俺頑張るからさ応援きてくれない」と頼んでみた。
「いいよ!」と即答で返す真愛の顔は太陽の日差しもあってキラキラしていた。
なろラジで話題になった、ミューチュアルパイニングっぽいのを書いてみたかったんです。