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日常と現実
普段は会社が手配したタクシーで相乗り通勤をする高橋だが、今日も一緒に乗るはずの小倉さんがいなかった。2日連続サボりとは一体こんな何もない街で、何をしているのだろうかと考えながら、工場に着いた。
いつも通り仕事をし、退勤の時間になった。時刻は午後9時前。一人でVIP待遇なタクシーで自宅へと向かっている時に高橋のスマホが鳴った。メッセージを確認すると、送り主は小倉さんだった。
『ようやく話まとまったわ。9月から本格的に動くこといなる。』
そのメッセージを見た時に、高橋はもう戻れないと察した。