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不安と日常
工場といっても様々な種類がある。
ベルトコンベアに流れてくる物に何かをする工場。全自動の設備を動かすために部品を投入する工場。
高橋の工場は後者のタイプだ。
朝の朝礼を済ませ、自分の担当設備達に部品を投入する。高橋の仕事は主にこれななる。
ついでにもう一つの仕事は設備が止まった時に直す。これが高橋のもう一つの仕事になる。
高橋を誘った小倉さんとは同じラインだが、今日はどうやらサボりで休みらしい。
「今日、小倉さんは?」
派遣先の社員に聞かれたが、高橋自身が休んだ理由を聞いていなかったため、適当に流した。
「本当に大丈夫なのかな?」
今後一緒に働く人が、仕事をサボるというのは高橋からすればいささか不安であった。