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辺境伯令嬢とヒロイン

学年が変わっても私のボッチ具合は変わらないらしい。

唯一の救いは、アルベルトが同じクラスなことだけか。


ただ、アイツはコミュ力の塊だからなぁ。

二年生からの編入生と言うだけでも注目の的だから囲まれている。


私、領地の皆以外から囲まれたことないんだけど。


暗殺者には囲まれたことあるけど


「…………はぁ。」


アルベルトを放置してお嬢様と殿下のクラスへと顔を出す。

そうすればソフィアがガッチリお嬢様の隣をガードしており、反対隣には殿下。

直ぐ側にはレオナルド様が居るし、シノア様は……あ、本読んでる。

アンタはもう少し協調性を持つべきではないかね、攻略対象でしょ。


「…………問題なさそうね。」


何、この疎外感。

私モブだけどさ、王命もらったモブだよ?

クロード・カルメの婚約者を婚姻の儀まで守れと王命を授かったモブキャラだよ?


悪役令嬢、マリア・セザンヌの取り巻きに選ばれたとも言えるモブキャラだよ?


「何してんだ、姫さん。」

「…………仕事をしようと思ったけど問題なさそうだからどうしようかと悩んでたところよ。」

「お。ならさ、皆で食堂行こーぜ。」

「食堂?なんで食堂?」

「美味いもんいっぱいあるから、味覚えて帰って来いって。食堂で活かせそうなヤツが一つはあるだろうっ言われてさ。」

「それ良い!最高!皆に食べてもらいたいものが城下にもあったの!アルベルト、是非!是が非でも覚えて帰って!!」

「お、おお……。姫さんが持って帰ってくれたレシピノートだけでも喜ばれたけど……まだあんの?」

「もちろん!食堂のメニューは網羅する必要がある。だけど料金が可愛くないのよねぇ……。」


むしろ名前を見ただけじゃ何の料理かさっぱりわからないという問題がある。

私もあれ以来食堂使ってないし……。


「マリア様、ソフィアさん!」

「ユリアさん!」

「今日、食堂行きませんか?久しぶりに!」

「わぁ、良いですね!」

「大丈夫かしら……?」

「もう大丈夫だよ。ユリア嬢、私達もご一緒しても良いかな?」

「もちろんです!マリア様と殿下の仲を引き離すつもりはないので!!」


むしろご一緒して欲しい。

私のために。


「レオナルドとシノアはどうする?」

「お誘いいただき嬉しいのですが、我々は────」

「ぜひご一緒させていただきます。」

「シノア!」

「良いでしょ。大した用事ではないと先ほど言われましたから。」

「でも……っ。」

「大した問題ではないから、なかったことにと言われた。」

「そうなのか?それなら良いが……。」

「?何か問題か?」

「いえ。どうやら解決していたようです。なので、ご一緒します。」


レオナルド様の反応にシノア様が肩を竦める。

なんか気になるなぁ、今の会話。


「では行こうか。」

「はい。」


殿下とマリア様を挟むようにソフィアとアルベルトが先頭を行く。


外面全開のソフィアにアルベルトは慣れないようだけど、見慣れてはいるから対応に不自然さはない。


あ。


「ロイド〜!」


一人で廊下に居るところに声をかければ、こっちを振り返って。


先に行っててくださいと伝え、ロイドに駆け寄る。


「お昼食べた?」

「いや、まだ。」

「じゃあ、一緒に食堂行きましょ!」

「…………行く。」

「よし、決まり!」

「二人だけ?」

「ううん、殿下たちと一緒。」

「あの!私もご一緒して良いですか!?私!朝助けてもらった新入生です!!」


お、おぉ……グイグイくるな、ヒロイン。


「ん?あぁ、殿下に支えてもらっていた子ですね。ごめんなさい。もうすでにメンバーは決まってるから、今度機会があればね。」

「なんで駄目なんですか!!」

「名前も知らない女子生徒を連れて行くわけにはいかないわ。殿下たちの御身に何かあった時に真っ先に疑われたいの?」

「そ、れは……っ。じゃ、じゃあ!どうして彼は良いのよ!たかだか新入生代表でしょ!?」

「私の弟で面識あるし、挨拶も済ませてある。私が弟誘いに行くっていうのは殿下たちにも許可もらってるから、何の問題もないわ。」


まぁ、事後承諾になるんだけど。


「それでは、殿下たちを待たせているので。」


ロイドの手を引いて、食堂への道のりを行く。


「アイツ、何者?」

「お嬢様に横恋慕して殿下に愛想振りまく凶悪犯。警戒してて損はないでしょ。」

「なるほど。俺同じクラスだから監視しようか。」

「必要ない。それでロイドが興味もたれたら困る。」


殿下とヒロインのフラグがバッキバキに折れるのは問題ないけど、ヒロインが身内になるのは嫌だ。

というか、メインキャラと関わらずに居て欲しい。

ヒロインに攻略されるなんて鼻が高いわぁとか思えないから。

なんせ、あのヒロインは転生者。

私とは違ってヒロインに転生するくらいだから前世ものすごい徳を積んだんだろう。

そうだとしても絶対に嫌。


あの手のタイプのヒロインは悪役令嬢を陥れるのになんとも思ってないタイプだろうからね。

読んでいただき、ありがとうございます

感(ー人ー)謝

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