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歴史という名のファンタジー  作者: みなと劉
92/255

92話

そして、その種類の多さとバリエーションの豊富さが『焼きそばパン』の人気の秘密のようであり、とにかく色んなものを食べてみたいという消費者のニーズに応えるために、あえて多くの種類のものを作ろうと考えたのが良かったのだそうだ。

このように、どんなものでもブームになると一気に流行ってしまうということがよくあり、これは何も『食品業界』だけのことだけではなくて 例えば『野球』だってそうではないか。

かつては誰も興味を持たなかったスポーツであったが、とある球団のオーナーが球場を訪れたファンにアンケートをとったところ『プロ野球を見たい理由のトップ3』に『迫力があるから』という回答があったのだという。そしてこのオーナーが実際にスタジアムへ行って試合を見てみたところ、なるほどたしかに観客達は白熱したプレーを見る度に大いに沸いている様子だったらしい。

そこで、オーナーはこの勢いに乗って もっと大勢の人が野球に興味を持ってくれるようにと様々な試みを行ったのだそうだ。その一つが あの有名な『背番号』であり、『1番』は投手、『9』には捕手といった具合で、好きな選手番号をつけることによって、より多くの人の注目を集めようとしたのである。

また、球場内に『ホームラン』を打つたびに 大きな旗を振る応援団員を配置するなどして、さらに客足を増やすように努力したのである。

こうして、『背番号』が定着することによって『プロ野球』に対する認知度も高まり、そして それとともに観客動員数もどんどん増えていった。今では『プロ野球選手』はスターになり得る存在であるということが証明されたわけである。まあ、『野球選手』と聞くと つい最近まで『野球選手=貧乏人』というような偏見もあったぐらいなのだが……ともかく現在では、『野球選手は芸能人』と言ってもいいほどの存在であり、テレビなどでも多く取り上げられているのだ。これもまた、時代の変化と言えるだろう。


『ハヤシライス』の歴史。

『ハヤシライス』とは、『ハッシュドビーフ(Hashed beef 煮込み)』と呼ばれる牛肉のシチューを洋風のデミグラスソースで食べやすく味付けしたもの。

要するにハッシュドビーフを薄めて食べるときに使うケチャップを使って作った料理のことである。

『デミグラスソース』の歴史も古く、そもそもこの『デミグラスソース』という言葉の語源は、フランスの『ドゥミ・グラシアン

(D'emigrasiens ドミグラジオンズ、フランス語 demi-grasyen デミグレインを縮めたもの)』という店のシェフが考案した『サフラン風味のトマトソース』に、フォン(font フランス語で『味つけ』の意味、ここではフランス料理に使う調味料全般を指す意味として使われる場合が多いが本来は『香辛料』のこと。

この単語の初出はフランス料理用語辞典『グランマニエ』の中の「フォン 味のエッセンス、フォン スパイスの香りづけ」のページの中段にある)を加え、その『煮汁をゼラチン状の半固形状に仕上げる』という調理法を、当時の料理長フランソワーズ・デュフール

(François Dufour, 1593年~1657年の間存在したとされるフランス王アンリ2世の宮廷料理人。ただし、同名の別人の可能性もあり。

その実在については今も議論が絶えない人物であり、真偽のほどは定かでないものの、彼が『オムレツ』を発明した人物だという説がある。しかし、そのレシピは現存せず、料理書などにも彼の名は確認できない。

『ハヤシライス』が日本に初めて上陸した場所は名古屋、それも松坂屋百貨店の食堂であったという。

最初の頃『ビーフのデミグラスソース煮込み』という名前で売りに出されていたという。

そしてそれが『ハッシュドビーフ』と呼ばれるようになったのが大正時代に入ってからのことであったようだ。

その後、昭和になると この料理を『ハヤシライス』と表記するようになり、そして現在は この料理は『ハヤシライス』という呼び名が一般的になっている。

『ハヤシソース』の歴史は意外と古い。というのも、これは明治時代になるまでは日本で知られていなかったソースだからである。

明治時代に欧米の食文化を取り入れるべく政府が主導し、海外から様々なものを取り寄せたという歴史があり、その中に当然のようにカレー粉も含まれていたのだが、実は明治以前は『カレールウ』と呼ばれるものがなく、そのためカレー粉を使った『ルー』のようなものはあっても、いわゆる『カレー』はなかったとされている。

では、どうしてカレーが伝わったかというと、やはりこれも外国の食べ物であったからだ。つまり、当時の日本の人たちは『西洋風カツレツ』のことを『ローストチキン』と呼んでいたのと同じ感じで、その当時、日本人たちが口にしていた様々なものを西洋風に言い換えていたのだと言われているのだ。

たとえば『ビーフシチュー』『ボルシチ』『クラムチャウダー』などである。

ちなみにこれらの『スープ系』の料理を総称して『洋食』と呼び、これは今で言うなら『和製英語』であるということになる。要するに、『西洋風』のスープという意味になるのだ。

さて、『ハッシュドビーフ』とは何なのか。それは牛脂を使って炒めた牛肉の塊肉に玉葱や人参などの野菜類を加えてじっくり煮込んだもので、それをケチャップベースの甘口のソースで食べやすくしたものだ。

作り方としては、まず 牛肉に下ごしらえとして小麦粉をつけて油を引いたフライパンに焼き目をつける。次に塩胡椒で味付けをし、バターを入れて弱火で焦げないように注意しながら約20分ほど煮込んでから水を入れ、アクを取って さらに5分程度煮込む。そうして出来上がったものに赤ワインを注ぎ入れて中火のコンロで煮詰めながら水分を飛ばしてソースの完成となるのだ。

この『ハッシュドビーフ』という名称は、その昔、フランス人料理人であるガストン・ブレッソン(Gaston Blissant 一八三二~一九〇六年の間存在していたと言われるフランスのレストラン『ル・トラモント(Le Tramont)』の創始者)によって名づけられ、その名が定着していったのだという。彼は この料理に『美味しさの象徴』のような意味合いを込めていたのだそうだ。

また『デミグラスソース』という名称の起源は、これもまた定かではない。

しかし 日本では一般的に使われるようになったこの『デミグラスソース』は、元々はフランスで発明されたソースであるらしく、そしてこの『デミグラスソース』にはフォン(demigrées)と呼ばれる調味料が含まれているのだそうだ。

そして、この『フォン』は、もともとはフランス料理に使う香辛料の一種で、『トマトのエキスとタマネギの汁と砂糖と香辛料とラードを混ぜ合わせて煮詰めたソース』のことなのだそうである。

そして、このフォンの風味はソースによく合うのである。

そして、デミグラスの名の由来なのだが、そもそも『フォン』というのはフランス語でソースを意味する『デミグレイン(d'emigrain)』の略語なのだ。

そしてフォンはデミグラスソース以外にも あらゆる料理に使われている調味料なのであり、要するにデミグラスソースはこのフォンの味を引き出すために使うものであるらしい。

デミグラスソースをハンバーグにかけたりするのも、つまり、こういうわけなのだった。

ともかくも、これが日本の食卓にも登場するようになった頃の話である。

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