84話
それが意味するものは、一つしかありませんよね?つまりは……『勇者』と『聖女』の間に産まれる子が『聖人』になれる可能性があるということです。そして、この世界には『聖人』と呼ばれる人がいるそうで、その方々は特別な使命を与えられていて、他の人にはない特殊な能力を使うことができるようになるそうです。……そして、『救世主伝説』の主人公である二人の内の一人の名前は、なんと『聖剣』と同じ名前でして、その名は……
《アーサー》というそうですね。……いやはや、まさか本当にその名前の人物が実在していたとは、驚きですね。しかも、『聖人』の称号を持っているということは、彼は何らかの能力を有している可能性が高いということですね。
『救世主伝説』の主人公の一人と『聖剣』が同じ名前の人物とは……まさに、この国と関わりがあるのではないかと疑ってしまいたくなりますが、この国の人々は誰もその事を知らないのかもしれませんね。
『聖剣カリバーン』は、アーサー王が持つべき剣の名とされているのは有名だと思う。
そして その名前の通り……この国は その発祥の地だと伝えられているのだ。……まぁ、それは あくまでも噂のようなもので 確かな証拠はどこにもないのではあるが、この国が何かと縁のある場所なのは間違いないだろう。
ちなみに、この国が『ティグリス・ユーフラテス川流域文明』と呼ばれていた時代に栄えた場所だったのではないかという説もある。
『ティグリス・ユーフラテス川流域文明』にせまる。……その謎は……いまだ解明されていない部分が多い。だが……この国の文化には……ある共通点があり、それが その謎を解き明かす鍵になるのではないかという説があるようだ。それは、主にエジプトとトルコにあるような文化が混合したものではないかという説だ。……そして それは『ノアの方舟』の話にも関係しているのかもしれない。……しかし、まだ その説を証明するような決定的な証拠はないそうだ。そして、その『箱船』が『救世主伝説』に出てくるものと一致しているのではないかという意見も出てきたそうなのだ。
なぜなら……この国に伝わっている伝承の一つの中に、それと類似するものがあるからだと言われている。
その話とは……このようなものだと言われている。
昔、大洪水が起きた際に、人間達が住む地上が流されてしまったのだが、そこに 神である『ラ―』が作ったとされる巨大な船がやってきて、その上に陸地を作ってくれたのだという。そのお陰で人間は助かったそうなのだが、その船の船長であるラ―が『地上に残った人々を救いたい』と言ったことから、『神の恵みによる救済計画』が実行に移されたらしいのだ。そして、その結果として『箱庭のような世界の王国』が作られたと言われている。
『ラーの守り神』、名を『ラ―・ウル』。そして『ラーの書』の『第3章4節5項』より抜粋すると、こうなっている。
『我は天界の主に仕える者なり、汝は神なる者に仕える者なれど、我らの創造主たる神には また別の力あり。そして神もまた 神を崇め奉りし者達を守る者なれば、神の力ある者こそが神となる者なり』
この話によりますと、まず最初に『ラーの書』の著者でありました『預言者モーセ』によって『神』と『天使』の定義について記されているのだそうなのです。そして、この『ラーの書』に記されていることを この世の人々が知るようになったのは、実は かなり後の時代のことだそうなのだ。その記述によると……この世に神と呼ばれる者が現れる時……『天界に住む神々(神)達は地上に降り立ち』、そして『神の使徒(天使)達を従え』て『地に住む人々を導くためにやってくる』……と記されているそうなのです。
『救世主伝説』では……その時に 救世主が現れ、神に選ばれし者である彼らは 悪しき王を討ち果たすことができるとされていますが……どうやら その救世主は『神に選ばれた』者であり、その彼が持っていた武器が『聖剣』だったようで、それは神の持つ聖剣と特徴が似ているとも言われていたようですね。……というか、その話は『救世主伝説』というよりは、むしろ 勇者が『勇者伝説』といった感じなのですが……。まぁ、それでも この国が『聖剣カリバーン』と関係があった可能性はあるといえそうです。そして……
『聖女の杖』と呼ばれている『賢聖の錫杖』というのも……やはり、その『聖女』が『聖女』と呼ばれるようになる前の呼び名なのではないかとされていますね。
そして、その言い伝えの中で伝えられているものの一つに……この国のどこかに眠っているという伝説の宝があるそうなのです。その宝というのは、何でも その秘宝を手にして願うことができれば……。
『どんな望みでも叶えることができる』
とも言われているそうです。……その秘宝の名前は、確か……。…………えっと、思い出せない……。……う~ん、何だったかな……。
いかんせん その話を思い出すことができなくて……すみません。
「ふむ……『願いを叶える秘宝』……ですか」
そんな話を聞かされると……余計に それを手に入れてみたい気になってしまうな……。
それにしても……『聖女』と呼ばれる人物と『聖女の子孫』である勇者と……それから『賢者』の名前が同じだなんて……これはもう その話が事実だと思ってしまった方がいいのかもしれないな。……だって、その方が物語としても面白いだろうからね。
『アテナ・サキュラス』という女神について語ろうと思う。
彼女について詳しいことが書かれている書物は残されていないため、あまり知られてはいないので その存在を知る者は多くないのだが……その容姿については様々な説があって……とても一言では言い表すことができないほど 美しい人だったという記録が残っている。
……そして その美しさと 知恵を兼ね備えた その姿があまりにも美しかったためか……『戦乙女』とも呼ばれているらしい。
……そして、彼女は『勝利の女神』と言われている。だが 彼女が司っているものは『戦う事』『戦争』などだけではない。『学問・技芸』を司る側面もあり……特に『占星術』を得意としていたという記録があるそうだ。
……ちなみに
『学問』という言葉は『カガク』という意味だと思われがちだが……実は違う。この言葉はギリシャ語である『アカデミア』から来ているもので、その意味としては『学究的知識の研究と習得』を意味しているとされている。




