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歴史という名のファンタジー  作者: みなと劉
42/255

42話

すると、家臣の誰もがゴクリと息を呑む。一体、何を言われるのだろうかと思っているのだ。

「それは……実は最近体調が悪くて寝込んでいる」

晴信は正直に話す。すると、

「えっ?」と家臣たちは驚いた。特に晴信の病気のことを知っている重臣達の驚きは大きかった。何故なら、晴信はこれまで病を患うことなく過ごしてきたからだ。しかも、今回は今までで一番深刻な状況であった。そんなことを思っていると晴信は続けて言う。

「実は数日前に体調を崩してしまったんだ。だから、しばらくは出陣できなくなってしまったんだ」

晴信が悲しそうな表情で言う。

すると、

「そうなんですか……」

家臣のみんなは残念そうな表情をする。どうやら、自分が戦に行けないことに責任を感じているようだ。「本当にごめん」

晴信は申し訳なさそうにしている。

「いえ、気にしないでください」

「そうですよ」

「謝らないで下さい」

「はい」

「大丈夫です」

「そうです」

「任せてください」

などと、口々に励ましてくれる。その言葉に晴信は感動していた。

「皆、ありがとう」

そう言って礼を言うと、再び話を続ける。

「そこで、しばらく戦に出れなくなった俺の代わりに誰かに指揮を任せようと思うのだが、誰に任せようか迷っているんだよ。それで、意見を聞きたくて呼んだというわけだ。何かいい案はないか?」

晴信は困っていた。すると、一人の男が手を挙げる。

「私がやりましょう!」

その男とは、真田幸村であった。

「幸村にやってもらうか」

晴信は悩んだ末に幸村にやってもらおうと決めた。

「私にできるかわかりませんが、精一杯務めさせていただきます」

幸村はやる気満々といった様子だ。

「よろしく頼むぞ」

「はい!」

こうして、幸村の初陣が決まった。

その後、幸村はすぐ武田軍に戻り初陣に向けての準備を始めた。一方、その頃信長は桶狭間の戦いから帰還し、その後、尾張を制圧していた。さらにその後、美濃国へと進軍した。一方、浅井家は朝倉家と停戦した。

・ここで真田幸村の軍が登場しますがこのシーンは晴信の回想シーンで登場します。

・織田軍については晴信が回想シーンにて登場しています。

第五章 小谷城の戦い(信長VS浅井家)

【解説】

ここでは、第四章で語られなかった信長側のストーリーを語ります。基本的には信長視点で物語は進みますが、一部の描写のみ晴信の視点となっています。また、この章は少し短めです。

・晴信達は美濃から信濃へと戻った後、休息をとっていた。そして、数日後、ついに信長軍が織田家の領地へと侵攻してきた。信長軍は総勢三万の大軍であり、対する織田軍は約一万五千の兵力。織田軍は圧倒的な兵力差であったが、織田軍はなんとか持ちこたえた。しかし、次第に戦況は悪化していき、ついには撤退することになった。

撤退した後は、すぐに籠城作戦に入った。そして、援軍が来るまで耐えるという方針に決まった。

・信長軍は包囲するような形で布陣している。・織田軍は砦を築いていた。

この時、すでに晴信は体調不良により休養中。

・最初は織田軍が優勢だったが、徐々に劣勢になっていく。

そして、戦いが始まって二日後に突然、大雨が降り始めた。これにより、織田軍の士気は低下。そのため、織田家の諸将は動揺し始める。

この時、晴信は城の自室で休んでいた。

すると、そこに信玄が現れた。

「信玄殿、どうかしましたか?」

晴信は尋ねる。

「晴信殿、体調の方はいかがですか?」

「まだ治りそうにありません」

「そうですか……」

信玄は心配そうな表情を浮かべる。

「信玄殿、わざわざ見舞いに来て下さったのですか?」

「はい。お体の方は大丈夫ですか?」

「はい。あまり良くはなってないのです」

「そうですか……」

信玄はさらに心配そうな表情を浮かべた。すると、

「ところで晴信殿は今どのような状況なのか知っておられますか?」

「いえ、知りません。どうしてそのようなことを聞くんですか?」

「それは……実はこれから私は織田軍と決戦に挑むつもりなんですよ」

「えっ?」

晴信は驚いた表情を浮かべた。

「晴信殿はどうされるんですか?やはり、戦う気はないと?」

「俺は……」

晴信は悩んだ末に答えを出した。

「俺も共に戦わせて下さい!」

晴信は強い意志の籠った目で言う。

すると、信玄はニヤリと笑う。

「わかりました」

こうして、二人の対決が決まった。

それから一週間後のある日、晴信と信玄の二人は向かい合っていた。周囲には大勢の家臣たちが集まっている。どうやら、この二人がこれから戦うようだ。その様子を見ていた者たちの反応は二つに分かれた。まずは、どちらが勝つのか見極めようとしている者達だ。もう一つは二人を止めようと説得する者達である。ただ、後者の者は大していなかった。

そんな中、先に口を開いたのは晴信だった。

「信玄殿、あなたと戦うことになるなんて思いませんでしたよ」

「私も同じですよ」

「しかし、まさかこんな形で決着をつけることになるとは……」

「そうですね」

晴信の言葉に同意するように信玄は言う。

「では、始めましょうか」

「そうしましょう」

そう言うと、二人は槍を構える。

「いざ、勝負!!」

両者は同時に駆け出す。

そして、激しい攻防が繰り広げられていく。両者とも一歩も譲らない。やがて、互いの体には傷が増えていき、どちらも肩で息をしていた。

「なかなかやりますね」

「そちらこそ」

「しかし、これで終わりです」

「そのようですね」

そう言うと、二人は互いに必殺の一撃を放とうとした。そして、その瞬間、

「止めろ!!!!」

と、大きな声が響き渡った。その声の主は晴信の父、信虎であった。

その声で晴信と信玄の動きはピタリと止まった。

「父上!」

「晴信様!」

晴信と信玄は驚いていた。何故なら、これまで一度も顔を合わせたことがなかったからだ。

「なぜ止めるのです!?」

晴信が怒りながら言った。

「お前達、本気で戦っていたわけではないだろう!」

「そ、そんなことは……」

信玄が否定しようとするが、

「嘘をつくでない!」

信虎が怒鳴ると、晴信達はビクッとする。

「もし本気ならば命を落としていたかもしれんのだぞ!それに、このまま戦えばどちらかが死ぬことに……」

そこまで言いかけた時、信虎は言葉を止める。

すると、今度は信玄が口を開く。

「しかし、私達はこの戦いに負けるわけにはいかないのですよ!」

「それはわかっている。だが、相手を殺す必要はないだろ。なぜなら、この戦は引き分けなのだから」

「どういう意味ですか?」

信玄が尋ねた。

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