40話
「うむ、それは助かるな」
「よし、それなら作戦を立てるか」
晴信がそう言うと、幸村と信輝も参加する。
こうして、信長達の最後の戦いが始まった。
信長と幸村達は協力して戦う。
「ぐぬぅ、流石に強いですねぇ」
義元は自分の強さに自信があったが、それでもこの三人は強いと感じた。
(やはり、この者らはただ者ではありませんね。この調子ではいずれこちらの兵が全滅してしまうかもしれません。ここは、私も本気を出すしかないでしょう)
義元はついに覚悟を決めた。
「おい、貴様らの力はこの程度なのか?」
信長が挑発すると、「ふん、まだまだ、これからですよ」義元はニヤリとした。
「ほう、その割には随分と余裕がないように見えるが?」
「ははっ、そんなことはないですよ。さて、ここからは本気で行きますよ」
義元はそう言うと、自分の周りから兵を退かせた。
「おい、何をするつもりだ?」
信長は警戒して尋ねる。
すると、
「ははっ、これであなた方も私の本当の実力を知ることができますよ」と答えた。
「ちっ、何を企んでいるんだ?」
信長が尋ねると、「すぐに分かります」と言って、刀を抜いて斬りかかってきた。
「ふん、舐めるな!」
信長はその攻撃をギリギリで避ける。
「おい、何をするんだ!」
信長は怒鳴る。
しかし、その後も義元の攻撃が続く。信長は反撃しようとしたが、なかなか攻撃できない。
(くっ、どうなってるんだ?)
信長は戸惑っていた。
「おい、晴信。どうなっているんだ?」
信長は困惑しながら尋ねた。
「どうやら、あいつは手加減をしているようだ」
「なに?何故、そのようなことをする必要があるんだ?」
「おそらくだが、奴はわざと負けようとしているのだろう」
「そうなのか?」
信長は驚いていると、
「どうしました?もう、終わりですか?」
と義元が声をかけてきた。
「ははっ、このままだと、本当に信長一人だけで終わってしまいますよ」
義元はニヤニヤとしている。
「くっ、いい気になるなよ」
信長はそう言いながら、少しずつ後退していく。
しかし、信長は追い詰められてしまった。
「さて、そろそろ終わりにしましょうか」
義元は刀を振り上げる。
「信長様!」
幸村は信長を助けようとするが、義元の配下によって阻まれてしまう。
「ははっ、これで終わりですね」
義元はニヤッとして刀を下ろす。
しかし、その時だった。
「待て!」
突然、晴信の声が聞こえた。
「なっ!?」
義元は慌てて振り返ると、そこには晴信の姿があった。
「信長様、今のうちに撤退を!」
晴信は叫ぶ。
「おお、晴信か。助かったぞ」
信長は晴信に礼を言うと、その場から離れていく。
「おいっ、逃げるつもりか?」
義元は焦り始める。
「ははっ、お前こそ、これで終わりにしてやる」
晴信は剣を抜いた。
「晴信、大丈夫なのか?」
信長は心配そうに尋ねる。
「ああ、任せてくれ」
晴信はそう答えると、
「さぁ、行くぞ」と叫んだ。
「ははっ、やれるものならやってみなさい」
義元も刀を構え直す。
そして、二人は同時に突撃した。
二人の武器が激しくぶつかる。
「ははっ、流石だね」
「そちらもな」
二人の戦いは互角であった。
「ははっ、これは面白い」
「ああ、俺もだ」
お互いの力が拮抗しているせいで、どちらも一歩も引かない。
「ふふふ、流石だね」
「ああ、そっちもな」
しばらくすると、義元はニヤリとする。
「ふふっ、そろそろいいか」
義元は小声で呟いた。
「んっ、何か言ったのか?」
晴信は首を傾げる。
「いや、何も言ってないぞ」
義元は誤魔化す。
「おっ、そうか?」
晴信は納得して再び戦闘に集中する。
(ふふ、晴信は隙だらけだな)
義元は晴信の様子を伺う。
すると、義元はニヤリとした。
「はあー!」
義元は一気に攻め立てる。
「うわっ!」
晴信は驚き、何とか防御するが、徐々に押されていく。
(まずいな……このままじゃやられるぞ)
晴信がそう思った時だった。
「おい!大丈夫か!」
と、そこに信輝が現れた。
「えっ、信輝さん!」
幸村も現れた。
「幸村、どうしてここに?」
「はい、晴信さん達を探しに来たんですけど、途中で今川軍の兵に遭遇しまして、それで戦っていたらここまで来ました」
幸村が説明する。
「なるほど、そういうことだったのか」
「はい」
「おいおい、二人とも何の話をしているんだ?」
義元は不思議そうな顔をする。
「ははっ、お前には関係ない話だよ」
晴信は義元を睨みつける。
「ちっ、そうかよ」
義元は舌打ちすると、さらに攻撃を続ける。
「くっ……」
流石に晴信も苦しい表情を浮かべる。
「おい、助けはいらないか?」
「はい、必要ありません」
「そうか、分かった」
すると、今度は幸村の方に視線を向ける。
「おい、そっちはどうなんだ?」
「僕も一人で平気です」と幸村は笑顔で答えた。
「よし、それならいいだろう」
晴信達は三人で協力して義元と戦うことにした。
晴信達が加勢したことで戦況は逆転し、晴信達の優勢となる。
「くっ、何故こんなことに……」
義元は焦っていた。
(まさか、これ程までに強いとは思わなかった。この調子ではいずれこちらの兵が全滅してしまうかもしれない。ならば、ここで私自らが奴らを倒さなければ)
そう考えると、義元は刀を構えた。
「どうやら本気を出すようだな」
「ああ、そうだな」
「はい、そのようですね」
晴信達は身構えるが、
「いや、お前ら二人は下がれ」
と、晴信が言う。
「んっ、どういうことだ?」
「俺はあいつに用があるんだ」
「えっ、でも……」
「大丈夫だから下がっていろ」
「はい、分かりました」
二人は渋々ながらも承諾した。
「さて、これで邪魔者はいなくなったな」
「ふん、舐められたものだな」
義元は刀を構える。
「さて、始めますか」
晴信も剣を抜く。
「いくぞ!」
「こい!」
両者は同時に駆け出す。
両者の剣が激しくぶつかり合う。
しかし、晴信の方が劣勢である。
「ぐっ!」
「まだまだ!」
晴信の攻撃が少しずつ弱まっていくが、義元は余裕で反撃する。
「はあっ!」
「がはっ!」
義元の一撃を受けて晴信は倒れる。
「晴信!」
「晴信さん!」
その様子を見た二人が叫ぶ。
しかし、晴信はすぐに立ち上がると、「まだだ!」と言って、再び剣を構え直す。
「ほう、中々やるじゃないか」
義元は感心している。
「晴信さん!」
「晴信!」
「二人共、俺のことは気にせずに戦うんだ」
晴信は叫ぶ。
「はい、分かりました」
「ああ、任せておけ」
幸村と信輝は再び戦い始める。
第三章
[完]




