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歴史という名のファンタジー  作者: みなと劉
39/255

39話

永禄11年(1568年)10月、織田信長が桶狭間の戦いで勝利してから2ヶ月後、ついに『徳川家康』が上洛を開始した。その数およそ1万。それに対して、織田軍は3千と圧倒的に不利だったが、信長はなんとか持ち堪えることができていた。

だが、それでも織田軍は劣勢に立たされており、いつの間にか『松平元康』の援軍によって2万にまで増えていた今川軍を相手にするのは厳しい状況になっていた。

「くっ、一体どうすればいいんだ!?」

信長が頭を抱えていると、「失礼致します」と幸村が部屋に入って来た。

「おっ、幸村ではないか。どうした?」

「はい、実は信長様にお願いがありまして……」

幸村は申し訳なさそうに話す。

「うむ、何でも言ってみろ」

「ありがとうございます。実は、私の配下の者に信長様と話をさせてほしいのですが……」

「うむ、別に構わんぞ」

「本当ですか?」

「ああ、もちろんだ」

「それなら良かったです。あっ、そういえば……

信長様は今川家の方々と面識はおありなのでしょうか?」

「いや、ないが……」

「そうでしたか。それなら話は早いです。実は、私に信長様を説得するように命令してきた者がいるのですが、その者の言うことに耳を傾けてみては如何でしょうか?」

「うむ、そうか……」

信長は考え込む。

(もし、その男の言葉が事実ならば、今川家を滅ぼさずに済む可能性があるかもしれない。しかし、本当にその方法が正しいのだろうか?)

信長は悩んでいた。すると、そこに晴信が現れる。

「おい!信長!何を迷っているんだ!」

「晴信か。それがな、ある者からこう言われたのだ。『信長を説得しろ。さもなくば、この国は滅びる』とな」

「なんだって?それは誰なんだ?もし、本当にそう言ったのなら、そいつは確実に今川家を滅ぼすつもりなんだろう?そんな奴の言いなりになる必要なんてないぞ!」

晴信は興奮気味に語る。

「だがな、もしもの話だが、俺がそいつの言う通りに動けば、この国を救うことができるかもしれんのだぞ?」

「だからといって、国の民を犠牲にするわけにはいかないだろう?」

「それは分かっている。だがな、俺はこの国を救うためならどんな手段でも使う覚悟はあるぞ」

「はぁ、そうか……。なら、仕方がない。俺も一緒に行ってやるよ」

「えっ?お前も来るのか?」

「あぁ、当然だろう?それに、俺にも責任があるからな」

「ふむ、分かった。では、共に行くぞ」

こうして、信長は晴信と共に今川家の本陣へと向かった。

一方その頃、今川軍の本陣では、森蘭丸こと信長は『今川義元』と話していた。

「ふっ、どうやら織田信長が来たみたいですね」

義元はニヤリと笑った。

「ああ、そのようだな」

信長も余裕の表情を浮かべている。

「信長め、随分と余裕そうな顔をしているではありませんか。何か策でもあるのですか?」

「ふっ、そうだな。まあ、少しだけ策はあるが、まだ確信はないな」

「ほう、そうなのですか。ちなみに、どのような策なのですか?」

「それを今ここで教えると思うか?」

「いいえ、思いませんね。しかし、気になりますねぇ」

「ほう、なかなか面白いことを言うじゃないか」

「はい、私はこの戦を終わらせるためにここに来ました。あなたが降伏するというのであれば、考えてあげなくもないですよ」

「なるほど、つまり貴殿はこの戦で死ぬということか」

「その通りです。もう既に準備は整っております。あとは私が合図を出すだけです」

「ほう、それは楽しみだ」

信長は嬉しそうに答える。

「では、最後に確認させていただきます。信長、あなたは死にたいのですか?」

「いや、そういうわけではない」

「そうでしたか。それを聞いて安心しました。これで心置き無く殺すことができます」

「はははっ、そう簡単に殺されるほど、この信長は甘くはないがな」

「そうですか。それなら、試してみましょう」

こうして、信長と義元の最後の対決が始まった。

そして、時は流れて信長と義元との最終決戦が始まる直前になった。

「うおおー!!」

織田軍は勢いよく攻め込んでいく。

「ぐぬぅ、やはり、強いな」

義元は歯ぎしりしながら呟く。

すると、そこに信長と幸村がやってきた。

「信長様、大丈夫ですか?」

幸村は心配そうに尋ねる。

「うむ、今のところ問題ないぞ」

信長は余裕の態度を見せる。

「ふん、相変わらずの強がりですね。そんなことを言っていられるのも今の内ですよ」

義元は不敵な笑みを浮かべる。

「ほぉ、言うではないか。だが、残念だったな。俺がここに来た時点で、勝敗は既に決まっている」

信長が宣言したその時、「おい!何を言っているんだ!逃げるんだ!」と晴信の声が聞こえてきた。

信長と幸村は慌てて声のした方向を見ると、そこには今川軍が押し寄せてくる光景があった。

「なに!?どういうことだ?」

信長は驚いていると、「信長様、どうされますか?」と幸村に尋ねられた。

「うむ、どうするか……」信長は考え込む。

(このままだと、いずれは全滅してしまう。ならば、ここは賭けに出るしかないか)

信長は決断した。

「幸村、お前は先に撤退しろ」

「信長様はどうされるのですか?」

「俺は残る。だから、早く行け!」

信長は必死に叫ぶ。

「信長様……分かりました。ご武運をお祈りしております」

そう言うと、幸村の率いる部隊は撤退した。

「さて、邪魔者はいなくなった。始めようか」

信長はニヤッとして言った。

「ははっ、そうですね。しかし、本当に良いのですか?私と一緒に死ねばよかったのではないのでしょうか?」

「確かに、お前の言う通りにすれば、俺は助かったかもしれないな。しかし、俺はこの国を救いたかったのだ!」

信長がそう言うと、今川軍が迫って来た。

「さぁ、行くぞ!」

信長は刀を抜いて突撃する。

「ははっ、愚かですね」

義元の笑いが響き渡った。

一方その頃、晴信は今川軍の本陣に向かって走っていた。

「はぁ、はぁ、はぁ、一体何が起きているんだ?」

晴信は混乱していた。

「ははっ、晴信さん、ようやく追いつきましたよ」

「おっ、蘭丸か。ちょうど良かった。教えてくれ!どうして今川軍の本陣が襲われているんだ?」

晴信は蘭丸に質問する。

「それは、僕にも分からないんですけど、おそらく織田信長が裏切ったんだと思います」

「えっ?じゃあ、あの大軍を相手に信長はたった一人で戦っているのか?」

晴信は信じられなかった。

「はい、そうです。だから、急いで助けに行きましょう」

「ああ、そうだな」

晴信達は信長の元へ向かった。

「信長様、お逃げください」

信長は今川軍の兵に囲まれていた。

「いや、ここで逃げたら、俺の負けだ」

信長は諦めずに戦う。

「ふふふ、無駄な抵抗はやめた方がいいですよ」

義元は余裕の表情を浮かべている。

「信長、もう終わりだな」

「いや、まだだ!」

信長はまだ戦おうとしていた。

「ふふっ、信長、あなたには感謝しています。この国の未来のために犠牲になってくれてありがとうございます」

義元は不気味な笑みを浮かべた。

「くそっ、ここまでなのか」

信長が絶望していると、そこに晴信達がやって来た。

「信長様、大丈夫ですか?」

「うむ、なんとか生きているぞ」

信長は力なく答えた。

「信長、これはどういう状況なんだ?」

「ふふふ、実はな……」

信長は事情を説明した。

「なるほど、そういうことだったのか」

「うむ、すまないな。俺のせいでこんなことになってしまった」

「いや、別に謝る必要はない。俺達も加勢する」


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