38話
「はい、そして、私もいずれは父上の後を継ぎ、織田様に仕えたいと考えております」
「なるほどな。ならば、俺のところに来るといい」
「ありがとうございます。必ずや織田様に尽くして見せましょう」
「うむ、期待しているぞ」
こうして、二人の話し合いは終わった。その後、信長は今川家の居城『蒲原城』へと向かう。
「お待ちしておりました」
そこには、『岡部元信』が待っていた。
「うむ、早速案内してくれ」
「承知いたしました」
こうして、信長は今川家に滞在することになった。
それから数日後、信長は義元と対談していた。
「それで、どうするのだ?」
信長が問いかけると、義元が答えた。
「はい、まず初めに尾張に侵攻しましょう」
「ほう、そうか」
「はい、織田様が味方になってくれたおかげで、兵力はかなり増えております。ですので、今のうちに織田様の領地を奪っておきたいと考えています」
「ふっ、なかなか良い考えではないか」
「はい、ですので、織田様はしばらくこの城にいてもらってもいいですか?その間に、我らが攻め落としてみせますので」
「ああ、構わないぞ」
こうして、信長はしばらくの間、駿河に留まることになった。
【解説】
今回の話は、桶狭間の戦いの前の出来事について書きました。
まず、信長と義元の会話についてですが、これは史実通りの内容です。
次に、信長と義元の対談についてですが、この話の中で信長が今川家を裏切った理由について触れました。
信長が今川家を裏切る理由はいくつかありますが、一番大きな理由としては、信長が上洛するためです。
信長は、史実通りに京を目指すつもりでしたが、途中で邪魔になる大名がいましたので、裏切ってしまいました。
今川義元との会見を終えた信長は、今川軍の侵攻に備えて軍備を整えていた。そんなある日のこと、信長のもとに一人の男が訪ねてきた。
「失礼致します。私は、真田幸村と申します。以後、お見知り置きを」
男は頭を下げて名乗った。
「うむ、俺は織田信長という。よろしく頼むぞ」
信長も名乗る。
「はい、よろしくお願いします」
「それで、何用で来たのだ?」
「はい、実は信長殿にお願いがあって参りました」
「ほぅ、どんな願いだ?」
「はい、実は……
こうして、幸村は信長に自分の目的を話した。
「ふっ、面白い男だな」
「恐れ入ります」
「よし、分かった。お前の頼みを聞いてやる」
「本当でございますか!?」
「ああ、本気だ」
「ありがとうございます!」
こうして、信長は幸村の頼みを聞くことにしたのであった。
永禄11年(1568年)8月、ついに今川軍が尾張に攻め込んできた。その数、約3万。それに対して、織田軍は5千と今川軍の半分以下しかいなかった。
だが、織田家は『松平元康』の援軍により2倍近くまで兵を増やすことができたため、なんとか互角に戦うことができていた。しかし、信長は今川軍の圧倒的な強さに苦戦し、今川軍を追い払うことはできていなかった。
「くそ、一体どうすればいい?」
信長が頭を悩ませていると、「信長様!お呼びでしょうか?」と、光秀が部屋に入って来る。
「うむ、実はな……」
信長は事情を説明する。
「なるほど、そういうことでしたか」
「うむ、何か策はあるか?」
「はい、一つだけ方法がございます」
「それはなんだ?」
「それはですね……」
こうして、信長は再び今川軍と対峙することになる。
一方その頃、今川軍に潜入中の『武田晴信』は、信長のことを探っていた。
「なぁ、本当にここに信長がいるのか?」
「えぇ、間違いありませんよ」
「そうなのか……」
「はい、そうですとも」
「でもさ、なんかおかしくないか?」
「どこがおかしいのです?」
「だって、信長って奴はもう死んでるんだろ?」
「はい、確かにそうですが、それは表向きの話ですよ」
「どういうことだ?」
「つまり、信長は生きているということだよ」
「なるほどな。で、本当のところは?」
「まあ、簡単に言えば、変装しているんだよ」
「なるほどな。だが、何故そんなことをする必要がある?普通に隠れればいいじゃないか」
「おそらく、信長には信長なりの考えがあるのだろう」
「なるほどな。だが、そいつは誰なんだ?まさかとは思うが、俺じゃないよな?もしそうなら、すぐにここから出て行ってもらうぞ」
「ははは、大丈夫です。あなたではありませんから」
「それじゃあ、誰が信長なのだ?」
「はい、信長は『森蘭丸』と名乗っています」
「なるほどな。で、そいつも俺と同じ忍びか?」
「いえ、違います」
「違う?では、何故同じ名前を名乗っているのだ?もしかして、偽名を使っているのか?」
「はい、その通りです」
「ふむ、そうなると、ますます分からなくなってきたぞ」
「とりあえず、信長に会いに行きましょう」
「そうだな」
こうして、『武田信玄』『上杉謙信』は信長に会うために今川軍の本陣へと向かった。
一方の織田軍は、今川軍の攻撃に押されていた。
「ぐぬぅ、このままだと負けてしまうぞ」
信勝は焦りを感じていた。
「殿、ご心配はいりません。私に良い考えがあります」
信長は余裕の表情で答える。
「ほ、本当か?教えてくれ」
「はい、分かりました」
そして、信長は自分の考えを皆に伝える。すると、兵士達からは歓声が上がる。
「うおおー!!!」
「これで勝つるぞぉ!!」
こうして、士気が上がった織田軍の勢いは凄まじかった。
それからしばらくして、今川軍が織田軍を追い詰めていく。
「くっ、まずいな。この調子で攻められたら、いずれは全滅してしまう」
信長が呟いたその時だった。突然、今川軍に向かって矢が飛んできた。
「んっ、何事だ!?」
信長が驚いていると、今度は火縄銃による一斉射撃が行われた。
それにより、今川軍は混乱状態に陥る。
「今だ!!突撃ぃ!!!!」
その隙を突いて、織田軍は一気に攻め込んだ。
こうして、織田軍は今川軍を追い返すことに成功した。
「ふう、助かった」
信長は安堵する。
その後、信長は今川軍の大将である義元と対談していた。
「いやぁ、危ないところでしたね」
「ああ、お前のおかげで命拾いした」
「いえいえ、それほどでもないですよ」
義元は謙遜して答えた。
「それで、これからどうするつもりだ?」
「はい、しばらくは様子見をしておきたいと思います」
「ほう、それでいいのか?」
「はい、今は無理をせずに、国力を回復させることが大事だと思っておりますので」
「ふっ、なるほどな」
こうして、織田信長率いる尾張勢は今川家にしばらく滞在することになった。




