表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
歴史という名のファンタジー  作者: みなと劉
29/255

29話

森の中に入ると、そこにはとても大きな樹木が聳え立っていた。これが『世界樹様』なのだろうと思った。樹木からは絶えず光が出ており、辺り一面を照らしていた。まるで昼間のように明るい。

「綺麗ですね」

「ああ、そうだな」

「ここが、『世界樹様』の住処なのかしら?」

その時、近くの茂みから何かが現れた。

「うわぁ!?」

「きゃあっ!!」

「大丈夫ですか?驚かせてしまいましたかね。申し訳ありません」

現れたのは一人の男性であった。彼はユグドラシルを見ると

「これはこれは『世界樹様』ここに居らしたのですね。お出かけしていたのではなかったのです?」

「『ミーミル』いま帰りました」

ミーミルと呼ばれた男性はユグドラシルに跪くとユグドラシルの手の甲に口付けをする。

「おかえりなさいませ。ユグドラシル様。

ところで、そちらの方々はどちら様でしょうか?」

「こちらは、旅の途中で知り合った方達です。実は、あなたに相談したいことがありまして」

「相談ですか?」

「はい。この人たちをしばらく滞在させてあげたいのですが、よろしいでしょうか?」

「ユグドラシル様が仰るのであれば構いませんが何故?」

「この人たちは、私の力を目当てにやってきたようです。その目的は、おそらく『邪神』の復活でしょう」

「なんと……『邪神』が復活したというのですか?それは一大事です!わかりました。この者たちは、しばらくの間この森に滞在しても構わないでしょう」

「ありがとうございます」

「しかし、なぜそのような事になったのですか?まさか……また『黒き神々』の仕業ですか?」

「いえ、今回は違うと思います。彼らは、『白の賢者』によって封印されていますし……」

「そうでしたね。『白の賢者』は、未だに行方知れずのままだと聞いています。もしや、彼が関わっているのかも……

「私は、彼の居場所を知っていますが……今は教えることはできません。いずれ時が来た時に教えましょう」

「そうなると、この話はここまでにしましょう。ユグドラシル様は、これから何をされるので?」

「私は、この二人に『世界樹の葉』を渡すつもりです」

「世界樹の葉は、まだ残っていたのですね」

「はい。これで、私は本来の姿に戻ることができます」

「本来の姿……とは?」

「私は、人間の姿に擬態しているだけで本当の姿は植物なのです。今までは、人間の姿のままでいたので本来の姿になる必要がありませんでした。なので、私は本来の姿に戻ります」

ユグドラシルの体が眩しく輝くと、目の前にいたのは大きな樹木ではなく、美しい女性の姿があった。

その姿を見た瞬間、僕は思わず息を呑んだ。それほどまでに美しく、神秘的な光景であった。

「これが私の本来の姿です。皆さん、どうかよろしくお願いしますね」

「こちらこそよろしくお願いします」

「よろしくお願いします」

「よろしくね」

こうして僕らの旅に新たな仲間が加わり、新たな目的ができた。

僕らの旅はまだまだ続く……。

僕らの旅に新たな仲間が加わった翌日、僕らは『世界樹』の近くにある湖に来ていた。

「それにしても大きいわねぇ……」

「ああ、そうだな」

「こんなに大きな水溜まりは初めて見ました」

「そうだろうな。ここは、世界樹の恩恵を受けた神聖な場所だからな」

「へぇ~、そうだったんですか」

「それにしても、本当に綺麗なところね」

「ええ、そうですね」

「気に入って貰えて何よりだ」

という感じに脚色してしまいました。

次は先程話にでてきた。

『ミーミル』ついてです。

ギリシャ神話上の『ミーミル』は知恵の神で、知識・学問を司る女神である。

彼女について語られている事の多くは謎に包まれているが、ひとつだけはっきりしている事がある。それは、彼女はとても嫉妬深い性格であったということだ。

例えば、ある男が美の女神アフロディーテと浮気をしてしまったとする。その時、ミーミルは男の前に現れてこう言った。

「お前の行いを見ていたぞ。お前のような奴に、私の娘は嫁がせられない。お前には死んでもらう。」

男は、あまりの恐ろしさに腰を抜かし失禁してしまう。そして、ミーミルは持っていた杖から光を放ち、男の心臓を貫く。

「ぐふっ……」

「お前のようなクズには勿体無いほど良い娘なのだ。せいぜい天国で幸せになるがいい」

そう言うと、ミーミルは去っていったと言う。

「なんて恐ろしい人なの……」

「まあ、そういう一面もあるかもな……」

「そう言えば、あの人はどこに行ったんでしょう?」

「ああ、あの人なら今頃は、この湖のどこかにいると思うよ」

「そうですか。会えるといいですね」

「ええ、そうね」

それからしばらくすると、水面が盛り上がってきた。どうやら、誰かがやって来たようだ。

「お久しぶりですね。ユグドラシル様」

「ええ、お元気そうでなによりです。ミーミル」

「ユグドラシル様は、相変わらずお美しいですね」

「あら、ありがとうございます」

「ミーミルさんもお綺麗ですよね?」

「え?ええ?私がですか?滅相もない」

「いやぁ、そんなことありませんって。ミーミルさんの美しさは、ユグドラシルさんに匹敵するぐらいですよ」

「そ、そんなぁ。お世辞でも嬉しいですぅ」

「お世辞じゃないんだけどなぁ」

「それで、今日はどのようなご用件でしょうか?」

「実は、この方に私の力を分け与えてほしいのです」

「ユグドラシル様のお力でしたら構いませんが、なぜその方が必要なのですか?」

「この方は、私の力を悪用する気はないのですが……少し事情がありまして」

「なるほど……わかりました。それでは、早速始めましょう」

「ありがとうございます」

「いえ、ユグドラシル様に頼まれたのであれば断ることはできません。それにしても、そちらの方々はどなたかしら?」

「この方たちは、旅の途中で知り合った方達でして。この方たちに私の力を分けてあげて欲しいのです」

「そうですか……わかりました。それでは、あなたたちの力を試させていただきます」

「試す?何をすればいいのかしら?」

「簡単なことです。私の攻撃を避けていただくだけで結構です」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ