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反逆者

あれから2週間が経過した。僕は未だ和室に篭っている。玄関先の母が発する腐臭も、落ち着きを見せ始め、死体に集っていたハエは、次第にその数を減らしていった。「……もりた…ひかる…」坂口は、『極秘』と記された書類に眉間を寄せながら、神妙な顔つきで呟いた。「僕ですか?」僕の名前に反応した僕は、咄嗟にそう返す。「…坂東國男という男を知っているか?」知っている。その男は僕の叔父だ。「知りません。なぜ急にそんな…」「彼はお前の叔父にあたる者だ。」坂口が食い気味に答える「だからなぜ急にそんな…」「坂東國男は俺の部下にあたる男でもあった。」そうだ。僕の叔父は旧連合赤軍の幹部だった男だ。

坂口は依然その男の話を続けている。繰り返すが、僕は坂東國男という男を知っている。坂東國男、享年35歳。僕が物心ついて間もない頃に、国家反逆罪の疑いをかけられ、異端審問__拷問の末に死刑判決を下された僕の叔父だ。同時に、僕の人生を大きく狂わせた男でもあった。坂口は未だこの男について語っている。坂東國男という男は余程信頼されていたらしい。

しかし幼少。小学3年生の頃には既に、僕が彼の甥であるが故の悪い影響は顕著に表れ始めていた。時にそれは凄惨ないじめだった。

__時にそれは大学側の不当な入学拒否だった。

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