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BL

「いやー、楽しかったすね!」


左耳に響く大好きな百瀬くんの声、右側に感じる大神くんの吐息。

私白石光咲は今、百瀬くんと大神くんの間に挟まれベンチに座ると言う神的ポジションの真っ只中にいます。

こんな事数日前?ここでは時間の感覚が分からないのではっきりとした時間は分からないけど、ちょっと前の私には考えられなかったコト。

ここは紛れもなく、今まで自分のいた次元とは違う次元の世界。

基本喉も乾かないし、お腹も空かないし、眠くもならない。

普段は低い雲に覆われているみたいに、薄暗く、全く生命を感じない。

よく知っているキャラクター達はマネキンのように動かない。

新築のようなキレイな外観の住宅街も裏側を見ればただのハリボテだったりする。

ただの二次元と言ってしまえば簡単だけど、それだけだと何か違う。

ここにいる人達は、百瀬くん主役のバスケアニメに出てくる人達。

言い方を変えるとそのアニメのキャラ達しかここにはいない。

二次元と言うひとくくりには当てはまらないのだろうか?


「さてと、そろそろ次の出番かな?次は確か大ちゃんとの言い合いからっすよね?ちゃんとしなくちゃ!」


立ち上がり、前髪を書き上げる百瀬くんの姿がかっこ良すぎて全身の毛穴が開くんじゃないかと錯覚を感じた。

ここの世界はさっきも言ったように生命を感じない。今目の前で動いている百瀬くんも無機質なモノに見えてはいる。

あんなに動いたのに汗もかかない、呼吸の乱れも無い。

だけど、かっこいいから全てOK。

そんな現実的な事どうでもいい。

この世界にこれた奇跡。

それだけでいい。


「てか、どうしたんすか、北村先輩?」


百瀬くんの心底驚いた声に、きょとんと首を傾けてしまった。

それぐらい何の自覚も無かった。


「え?」


「えっと、っぽくないっすよ?」


自分のウエスト辺りに視線を向けた。

あ!!!!

私、百瀬くんの服の裾つかんでた!

慌てて放す。


「ご、ご、ごめんなさい!」


「イヤ、別にいいんすけどね、なんつーか、今のも含めて今までの北村先輩と違うつーか…」


「え!えっと…」


そうだよ、本当は私、北村先輩じゃないんだよ!

何て言える訳も無く曖昧に首を振った。


「お!何だ何だ、お前らそう言う関係だったのか?オレ知ってるぜ、そう言うの…BLって言うんだろ?」


「……つ!」


まさか、女の子(主に巨乳)好きの大神くんからそんな言葉が出てくると思わなかったから言葉を失う。


「何スか、それ?」


「何か、男が男を好きな事をBLって言うらしいぜ」


「マジっすか?北村先輩オレの事すんな風に思ってたんすか?」


「え?い、ううん、違う!えっと違くないけど…、いや、違う」


慌てまくって、何て言っていいのか分からなくなった。


「まぁ、そう言う事もあるよな、しゃーないよな」


大神くんはそう言って何事も無く立ち上がり、八重歯を見せて笑った。


「てか、大ちゃんってたまにそう言う聞いた事のない言葉使ってくるっすよね?どこで教わるんすか?」


「あー、誰かに聞いた」


「ちょ、誰かって誰っすか?」


「あー?忘れた」


「何スか、それ?」


「ほら、早くしないと出番になるぞ」


こんな風にいちゃコラしてる二人を画面を通してでは無く見る事のできる奇跡に涙が出そうだった。











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