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バスケ

一歩歩く度に景色が変わってゆく。

そこはアニメで見ていたファーストフード店だったり、主人公の百瀬くんの部屋だったり、祝勝祝いをしたかったがお金り持っていなかった部員達のためマネージャーが連れていった食べきれば無料になると言うステーキ屋とか。

くるくる変わってゆく景色はホログラムのようにどこか現実離れしているものの、原画展やアニメ展のようなところにあるフォトスポットとはまた違っていて、ちょっと前までちゃんとそこに人が存在した空気を感じられる。

百瀬くんに連れて行かれたその場所はバスケゴールのある寂れた空き地。

アニメで何度か出た事はあるけど、百瀬くんがここに立っていた描写は描かれた事は無いので違和感を感じた。

ここに立っているのは主に…。


「遅かったじゃねーか、百瀬」


そうそう、ドスのあるこの低音知ってる。

アニメの中で百瀬くんとライバル役であり、百瀬くんが恋するヒロインの幼馴染み。

大神俊哉。

ぶっきらぼうだけど本当は優しい大神俊哉は幼馴染みのヒロインの事、何だかんだ言っても恋愛感情ありの好きだと思う。

一度もそんな描写無かったし、ヒロインは百瀬くんの事好きだけど。

随所随所に彼が慕ってる様子がさりげなく描かれている。

もし、まだ、このアニメが完結していなかったら?大神くんはヒロインに想いを打ち明けるのだろうか?

シナリオ通りに生きているアニメの中しか知らない私だったら、そんな事あり得ないと言えたけど、今こうして普通に存在している彼等を見たら、物語の続きを勝手に想像してしまう。

もし大神くんに想いを打ち明けられたら、ヒロインはどう応えるのだろう?

百瀬くんとの仲にも影響あったりするのかな?

そんな私の考えに


「何だぁ、今日は北村先輩も一緒なのか?」


不審なモノを見るようにチラッと私に視線を向けた。

キャッ!

不覚にもときめいてしまった。

関心が無い流し目だったけど、大神くんも大神くんでかっこいい。

てか。実際付き合うとしたら、百瀬くんより大神くんの方が嫉妬の心配が無い分幸せなのかな?

百瀬くんはどこにいても女の子の目にさらされてしまうから。

大神くんかー…悪くはないかも!

などとどこから目線か分からない発言。

良くない良くない。

こんなの誰かに聞かれたら、刺されてしまう!

まぁ、心の中で思う分にはいいか。

妄想はヲタクの養分。これがあるから生きていける。


「人数が多い方が楽しいっしょ?」


「…、まぁ、そうだな」


勝手に話を纏まり、真っ直ぐ前を見据えたままどこから取り出したのかバスケボールを地面に着く、大神くんがテレビで見てたそのまんまで。

油断すると声が漏れてしまいそうになるほど、私の心は昂っていた。

ああ、何て幸せな空間にいるのだろうか?

とか言ってる場合じゃなくない?

私、バスケなんて体育の授業でしかした事ないよ?

そんな私がこの二人とバスケなんてできる訳ない!


「北村先輩!パス!」


ほら、言ってる側から。

だけど、私の懸念とは裏原に体が動く動く。

いとも簡単にボールを取りシュート体勢に移り、難なくシュートを決めてしまった。

本能的なモノなのか?

脳と体が全く別物になった感じだった。

この体は北村先輩そのものだった。





















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