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「第一話 プロローグ」

 俺の名前は東条和人。

 高校一年生だ。

 俺はクラスメイトの加藤隆一と信号を待っていた。

「にしても和人。お前何部に入るかは決まったのか?」

 隆一が部活動の話を切り出す。

「いや。それがまだ決まってないんだよなあ。中学の時は美術部だったからどうせだから運動部に入りたいんだけどめんどくさそうだからな~。」

「お!運動部に入りたいなら我らがサッカー部はどうだ?今は部員が足りてないから入部して即スタメン入りだぜ?」

 サッカー部か。

 そういえばサッカーといえば少し前に起きた嫌な記憶がよみがえる。

「サッカーは断固拒否する!」

「えーなんでだよ!あ、そういやこの前のあれトラウマになったのか?」

「そうだよ!」

 何の話かというとこの間隆一に小学生相手だからと言われてサッカーをしに行った時のことである。

 その時俺は小学生相手に完全敗北したのだ。

 今思えばあいつら完全に俺のことなめ腐ってたような。

 まあそんなことはどうでもいい。

 俺は小学生相手にボコされたからと言ってへこたれるやわな男じゃない。

 重要なのはここからだ。

 俺には幼稚園児時代から今の高校まで小学校中学校ずっと同じ佐藤美香という幼馴染がいる。

 もちろん俺は美香のことを昔から好きだ。

 だが今の今まで告白できないでいた。

 そんな美香と美香の友達達は偶然にも俺が小学生とサッカーをしていた公園の前を通りかかり俺が小学生相手にボコボコにされたところを見てしまったのだ。

 そしてこう言葉を発した。

「何アレ。ダっさ。」

「うぎゃああああああああ!!!!!!!お前のせいだぞ隆一!!!お前があの日に俺をサッカーなんかに誘わなければああああ!!!!」

「まあまあ。落ち着けって。」

「す、すまない。つい取り乱してしまった。」

「それにしてもあの時は運が悪かったよな。まさか偶然あんなところを見られるとは。」

「ほんとだぜ。たっくよー。せっかく幼稚園生の時からため込んでいた俺の好感度が。」

 そんな他愛もない話をしていた時だった。

「え?おじいちゃん危ない!!」

 なんとおじいちゃんがまだ赤信号なのにも関わらず横断歩道を渡り始めたのだ。

「爺さん危ない!」

 そしてすぐそこにトラックが迫ってきていた。

「このクソじじいいいいい!!!!」

 俺は肩にかけていたバックを投げ捨ておじいさんに駆け出した。

「よし!」

 俺はおじいさんの背中を押し前に押し出す。

 これでおじいさんは大丈夫だろうと思ったのもつかの間。

 俺の体にとんでもない衝撃がぶつかってきたのを感じた。

 その瞬間俺の体は宙を舞う。

 そして地面へと勢いよく激突する。

 最悪だ。

「和人!和人ー!!!」

 最後に聞こえたのは隆一が俺の名前を叫ぶ声だった。

 そして俺の意識はそこのない闇へと落ちていった。

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