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影追いの義賊  作者: zig
10/21

続 追いかけっこ

 「これは……!」

 ひらけた道の先には、大きな川が流れていた。

 右へ左へ、無数の船たちが行き交う。オールを持って高らかに歌う筋骨隆々の男性や、何人もの乗客を乗せてゆったりと進む水上バス。穏やかな水面は、そよぐ風に揺られつつ陽光を反射していた。

 「まずいな……」

 思わず足を止めたマルスが呟く。その様子を見たマルファが、彼の胸元から声を上げた。

 「マルス。左に行って。大きな橋があるわ」

 「助かるよ」

 「待てと言っている!」

 蹴り出した足音が鳴り終わらないうちに、後ろからきた女性が降り立った。寸前のところで逃がした得物へ舌うちし、また疾走する。

 「でもいいのかい? 僕に助言して」

 「いいの。こうなったらとことん家出するわ」

 「僕が悪いヤツとかは考えない?」

 「そこまでうまく生きられる人とは思えないわ」

 「あはは。なるほど!」

 ぐんぐん迫る橋。アーチを描いて向こう岸まで渡る石造りの曲線まで、マルスは一直線に向かった。

 「向こう岸に着いたらどうするの?」

 「それは……。考える必要無いみたい」

 マルスの足が急に止まった。彼と会話するため視線を瞳に向けていたマルファが先を伺うと、一人の男が橋の中央に立っていた。

 「これは……挟み撃ちか」

 「そうだ」

 腕の中から降ろされたマルファがマルスの背越しに伺うと、すでに女性も近くへ来ていた。

 「さあ、その方を返して貰おう」

 しゃらん、と、鞘から細身の剣が抜かれた。

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