普通の生活は魔王がゆるさない
リリア
『ねえねえ、バラって区別つく?
天使
『うーん……、あたしは無理ね
万単位で生きてると細かいことどーでもよくなっちゃってー
ルディ、あんたは無駄に詳しそうね
あんたの城ばかすかバラ咲かしてんじゃない
魔王
『あれは私の魔力漏れだ
天使
『はー!?
漏れてんの!?
駄々漏れ?
魔王
『ふん
力が強すぎてな
リリア
『そんな面白いことだったの!?
わたしてっきりルディの趣味で咲かせてるんだと思ってた
天使
『で、なんでバラなのよ
もっと他になかったわけ?
たとえば……
あー………、たとえば―――……
リリア
『ルディの手
天使&リリア
『……………
ィィィイヤァアダー!
天使
『想像するだにおっそろしいわぁ
リリア
『だってルディの魔力って言うから……
天使
『あ゛ーーー、気持ちわるすぎ
違うのよ
いちごとか、りんごとか、あー…んー……ラズベリーもいけそうね
ルゥが喜びそうじゃない!?
バラが出せるんならこの辺出せそうじゃないのよ
魔王
『………!
天使
『盲点だったみたいな顔してるわね
リリア
『全部果物?
天使
『だいたいそんなもんよ
リリア
『じゃあ多分ルゥが城に戻ったらいちごとかだらけね
天使
『きっとそうよ
メルヘンだわ
ところで……
ルゥあの魔力のバラ、こっちにきたときとかめっちゃ握りしめてたりしたけど、トゲささんなかったのかしら?
ちっちゃいけどささらないってことはなさそうよねぇ
リリア
『そうだね
そういえばなんともなかったみたいだよね
魔王
『心配いらぬ
ルーシュだけは傷つけぬよう、魔法をかけてある
天使
『あらやだ得意顔
さすが駄々漏れ変態過保護魔王だわね
リリア
『アルたん、長いよ
天使
『略して変態
ははんっ!
怖くないわよ!
リリア
『ルディ、威嚇で目をむいてばっかりいたらそのうち目玉が落ちちゃうよ
天使
『ちょっと!そんなことより!
このメイド、さすがね
ルゥがおセレブ生活に慣れきっちゃってるのに気が付いたわよ
リリア
『おセレブ?
天使
『そぉうよーぉ
普通じゃないんだから、こんな至れり尽くせり
リリア
『じゃあ普通の生活って?
天使
『うんー……
リアに説明するのは難しいわね……
まあ、こーゆーメイドとか魔界にいた使い魔みたいのがいない生活だわね
リリア
『え!?
じゃあどうやって着替えるの!?
天使
『そこか!
もーね、そもそも食事の支度も家の掃除も、なにもかもを自分でやんなきゃならないってことなの
リリア
『……………
天使
『うふふ
想像もつかないって顔ね
魔王
『ルーシュに無駄な苦労はいらん
天使
『ま、過保護魔王が憑依してたんじゃそんなもんかー
リリア
『ルディ……、目玉落ちるよ
魔王の城といえばバラ。
もう勝手なイメージです。
そんでもってルドルフはゼルダ無〇の精神の宮殿並に城をルーシュで飾りたてたいんじゃないかと思われます。
本体にはまともな理性がそなわっているので、そこまではしない、と思う。