王様のバラは変態のバラ
天使
『なんであたしがこんなところにいなきゃいけないわけ!?
魔王
『問題ない
天使
『おおありだっつの!
あんたの思いつきと趣味大全開じゃないのよっ!
あーーーっ!
信じらんないっ!
リリア
『だ……、ん・んー……
(なんか……、ごめん……
天使
『やだ!
違う、違う!
リリアはなーんにも悪くないのよーぉ!
魔王
『リリアに抱きつくな
天使
『なに言ってんの!
こーんな赤ちゃんが気をつかってくれてんのよ
あんたも少しは申し訳なさそうにするくらいないの!?
リリア
『ばぁ………ぁ
(いいの
アルタンとルドルフがいなかったら、私生きてけないもん
天使
『ああーーー、もう!
なんていいコなの!
いじらしいーっ!
わかったわ
あたしリリアのためだけに生きてく!
たとえあんたに利用されてるんだとしても、あたしがリリアを守ってあげるんだから!
リリア
『ぁぶ
(ありがとう、アルタン
天使
『しっかしあたしがここにきて十年かー
暇になることはなかったわねー
魔王
『……………
天使
『あんたまさか本体があんなにメロンメロンになると思わなかったんじゃないのぉ?
ルゥかわいいもんねーぇ
あらなによ
そんな目ぇむいて
事実じゃないのよ
ははーん、だ
怖くないわよ
この変態魔王!
リリア
『アルたん……
ルディ涙目だから、やめたげて
天使
『はっ!
目をかっぴろげすぎなのよ!
……そうね
リアに免じてここらへんでやめといてあげるわ
で、ルゥはなんで変態魔王にあらたまって呼びだされたのかしら?
いつもだったら勝手に近くをうろちょろしてるのに
リリア
『さあ?
魔王
『……人間界へ送り出す
天使
『は!?
リリア
『人間界?
魔王
『ここまで育ったのだ
一度世間をしるのもいいだろう
天使
『いいだろう、ってあんた
本体の思考が流れ込んでるだけなのにあんたの考えみたいに!
あつかましいったらないわね
ってか、どーすんの?
ルゥ、変態から離れたら生きてけないでしょ
あたし達あいつの魔力でひとまとめになってんのに、ばらばらになっちゃうんじゃないの?
あたしは天界にかえれるし、リアもなんだったらあたしが導いてもいい
ただ、ルゥが……
魂すらまがいものなんだから、砕け散ってなにも残らないのよ
魔王
『これだ
天使
『だからあんたまた自分のことみたいに……
なに、バラ?
魔王
『離れていても私の魔力をこめられる
小さいものだから、一日分ずつしかこめられないが
天使
『うわ!
なにこの夢みがちな演出
趣味悪いわね
魔王
『………
天使
『………ちょっと待って
コレ、このバラにこめられてる魔力の元、最悪じゃないの
なんてもの与えてんの!?
魔王
『私のやることに口を出すな
天使
『口出したくもなるわよ
だってあたしをここに留める力になるのよ!?
おぞましすぎるじゃないの!
リリア
『アルたん、どういうこと?
天使
『あ……、あー………
リリア
『?
天使
『ごめん、リア
これはあたしからは教えられないわ……
まだちょっと納得いってないの
ごめんね……
リリア
『………
ルディ?
魔王
『悪魔の仕事だ
天使
『ルドルフ!
それ以上言ってごらんなさい!
あたしだってここから解放されるすべがないわけじゃないのよ
魔王
『………ふん
そんなもの、おまえだって無傷ではいられんだろうに
天使
『わかってるわ
それでも、よ
それだけのことをあんたの本体はやらかしてんのよ
この人間界行きがどんなものになるのかも、どれくらいの期間なのかもわからない
わからないからあたしはしばらく様子をみてあげるわ
このバラの魔力にはヘドが出るけどね
さあ、人間界よ
あたし達、どうなるのかしらね
本編始まりました(笑)
嘘です。
アニメとかの映像作品に副音声がついたみたいな感覚で読んでいただければと思ってます。
映像作品と違って同時視聴スタイルがとれないのが難点ですが。