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一章 三話

家に帰った後俺はステータスを確認していた。

あの時俺の体を包んだ光は、スキルまたは魔法の付与だと

思ったからだ。


思ったのだけれども.....。



「ダメだ何度どの角度から見てもいつも通りのスキルだ。」



と結果は付与されておらずいつものまんま、

ただのノウス君なのでしたとさ。



「はあ、期待して損した。」


「何を期待してたの?」


「うわ! 姉さん!」



新しいスキルがないことに落ち込んでいると、

ミーナ姉さんが話しかけてきた。



「何々? 何か新しいスキルでも身に付けたの?」


「いえ。新しいスキルが付いたかなって思ったんですが、

 残念ながら僕の勘違いだったみたいです。」


「そっか~。それは残念だったね。

 いつもスキルの事で悩んでたみたいだから、

 あんまり気にしちゃだめだよ。

 スキルが少なくとも技さえあれば戦えるんだから。」



俺のスキルの事は隠ぺいを使って隠している。

家族に無駄な心配と迷惑をかけないためだ。

しかし、技さえあればっていつも力任せの

我流剣術をしているのはどこの誰だよ。

ま、それに負けているのは俺だけど。



「わかってますよ。どこかの脳筋さんとは違って

 僕は色々考えて行動してますから。」


「なにお~。誰が脳筋だって~。」


「姉さん以外に誰がいるんですかね~。」


「いったな-! そんな生意気な弟にはこうしてやる。」


「あ、ちょっと待ってこの体制からだと逃げられ

 イタイ、痛いですよ姉さん。」


「やめてほしければさっきの脳筋宣言を取り下げなさ~い。」



そう姉弟でじゃれあっていると、

母さんが帰ってきた。



「ただいま~。って何してんだお前ら、もう寝る前なんだから

 あんまりはしゃぎすぎるんじゃないぞ。」


「「はーい」」



二人そろって返事をしてじゃれつくのをやめた。



「そう言えば今日は何でこんなに遅かったの?」


「ああ、明日領主の娘の恋人が正式に婚約を結ぶ

 ために決闘を申し込んだんだ。そして、その会場に

 選ばれたのがうちのギルドの訓練場ってわけだ。

 それで訓練場の整備とか不正が仕組まれてないだとかの

 調査を行ってたらこんな時間さ。全くそういう事は

 もっと早く言ってほしいもんだね。」


「決闘か~。私初めてみるな~。」


この世界リリティルはもめ事や話し合いで

決まらないような物は決闘で決める事に

なっている。今回のように結婚を結婚相手の

親に認めてもらう時や、名誉を汚した相手に

対して謝罪を求める際に相手が渋った場合

に起こったりする。勝負方法は様々で、

戦闘、ギャンブル、ゲームと様々である。


今回は訓練場を使うので戦闘のタイプのようだ。

戦闘にはいくつかルールがあって、まずその戦闘に

参加する人数を決める。これは、外野から戦闘中に

邪魔が入らないようにするためだ。次に状態リセットの

ポーションの摂取、試合前に支援魔法や薬でドーピング

をさせないようにする為のルールである。

最後に報酬、これはお互いが認めたものであるならば

なんでもいい。そこら辺の草からなにまでOKだ。

他にも色々細かいルールがあるが今は別にいいだろう。



「僕も初めて見ます。それで母さんその

 恋人さんってどんな人なんですか?」


「それはなここらに住み着いていた邪龍がいただろ

 家畜を襲ったり気まぐれで村を襲てたあいつさ。

 それを討伐した噂のアルゴースってやつだよ。

 なんでも今回の結婚を認めてもら決闘の為に

 龍を狩ってそれを報酬に出したみたいだね。」


「ええ! あの邪龍を倒したんですか!?」


「そんな人が戦う所、私見てみたい。

 お母さん私もみにいきたい!」


「別に問題ないぞ。今回は一般公開されている

 奴だから誰でも見にくることができるぞ。」


「本当にやったー!」


「しっかし邪龍を倒せる実力があるんだ、

 今回の決闘は結果が目に見えてるね。」


「そんなこと言ったら相手の人がかわいそうだよ。」



そんなこんなで向かいえた次の日、訓練場の観客席には

人が大勢いた。


「おい、どっちが勝つと思うよ?」


「そりゃ、アルゴースさんだろ

 なんたってあの邪龍を倒したんだぜ。

 そこいらの奴がかてねえって。」


「だけど今回の相手近衛騎士隊長だぜ。

 あの人も龍を倒したって噂だ、これは

 わからないぜ~。」



今回アルゴースの相手をするのは領主の近衛騎士隊長の

ようだ。

そんな風に周りの会話を盗み聞きしていると

ファンファーレがなった。



「両者入場!!」



それを合図に北と南に位置する扉が開き

その中から選手が姿を現す。


北側から来るのがアルゴース

銀髪に青い瞳まるで物語の出てくるような

イケメンで、体には髪と同じ銀色の鎧をつけている。



「「「きゃー! アルゴース様ー!!」」」



周りからの黄色い声援がすごい。


チッ、イケメンがこの決闘で顔を傷付ければいいのに。



「どうしたのノウス?

 顔がすごくこわいよ?」


「そうですか? 気のせいですよ気のせい

 あはは。」


「絶対なにかイライラしてる。」



姉さんよ、しょうがないんだ。


この773年間女性にモテたためしが無いんだ

モテてる奴を見ると妬ましくてしょうがないんだ。



「それでは両者でそろった所でポーションを

 この場で飲んでもらう。」



控えていたスタッフの方からポーションを

二人が受け取る。



「正々堂々良い勝負にしましょう。」


「ああ!」



二人は短く言葉を交わすと一気に飲み

所定の位置についた。



「双方準備はいいか?」



「はい。」


「問題ない。」


「それではこれより

 アルゴースVS近衛騎士ルワンダの決闘を開始する。

 始めーーーーーーーーーーーー!」


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