プロローグ上
初投稿です。
精一杯面白くしていく予定です。
よろしくお願いします!
異世界転生というものを知っているだろうか。
何かしらの使命を神様から言い渡されて赤ん坊から
人生をやり直したりするアレのことだ。
俺藤村太郎は、どこにでもいる普通の高校生だった。
二年の新学期の登校中前日に降った雨で出来た水溜りに
足を滑らせて頭に強い衝撃を受け
気が付いたら真っ白い空間に立っており
目の前には白い靄のかかった物体がいた。
「おお、ようやく気が付いたようじゃな。」
「え、なんか変な物体がしゃべった!?」
「変な物体とはなんじゃ!
ワシはお前たちが言うところの神という存在じゃぞ!
失礼にもほどがあるじゃろ!」
失礼も何も気を失ってて気が付いたら目の前に変な
物体?があったら大体こんな反応だと思う。
「はあ、それより神様俺はどうなったんですか。
もしかして、ここって天国なんですか?」
「ワシがいる事より自分の事か、
なんともマイペースだのう。」
そんな何とも気が抜けた会話を続けて分かった事が
曰く他の世界から比較的安全なこの世界に転生する
物が多く人口が増えすぎているため
死んでしまった魂をそのまま転生させるのではなく、
他の人口が少なくなっている世界に転生させるとのこと。
曰く異世界に転生する場合神から何らかの恩恵を
貰って使い方をまちがわなければ
何不自由なく暮らせるとのこと。
「どうじゃだいたいわかってくれたか?」
「・・・・・」
「ん、どうした?」
「異世界転生キターーーー!!!」
俺は歓喜のあまり思わず叫んでしまっていた。
「なんじゃ!?
そんなに喜ぶことなのか!?」
「当たり前ですよ! なんてったって異世界ですよ!
剣や魔法のファンタジーな世界、今までの非日常が
日常になるこんな心躍る展開他にありませんよ!」
「そんなにいいものかの~?
まあそういう事なら引き受けてくれるかの?」
興奮する俺の姿に若干引きながら神様は聞いてきた。
「そんなのOKに決まってるじゃないですか!」
「おお、そうかこんなに喜んで引き受けて
くれたのは久ぶりじゃの。 それじゃあ
早速準備に取り掛かるぞこの箱から
一枚紙を引いてくれ。」
そういって現れたのがなんか無駄に豪勢な
きんぴかな箱だった。 側面にはすきるぼっくすと
ひらがなで書かれていた。
「あの神様これは?」
「言ったじゃろ、転生するのはお主だけではないのじゃ。
公平をきす為に毎回恩恵はくじにて決めているのじゃ。」
いいのかそんな方法で、もっとお主にあったのをーとか
この中から選べとかいって数あるスキルの中から選ぶとか
そんなんじゃないのか。
「ん? どうしたのじゃ。
たった一枚引くだけじゃろ。何を迷っておるのじゃ?」
「いや、なんでもないです。」
どうやら本当にこのやり方で決めるようだ。
俺は箱の中に手をやりつかんだ一枚に書かれた文字を読んだ。
「残機10?」
何とも意味不明なことが書かれていたそれを
読み上げると神様はやっちまったよこいつ
みたいな哀れむような目でこちらをみていた。
「神様この残機10って何ですか?
なんとも理解に苦しむ内容なのですが?」
「それはの、今から転生する世界で死んでしまった
場合記憶や能力を引き継いだまま転生をするという
ことを10回繰り返すスキルじゃ。」
「なんですかそれ、いいことばかりじゃないですか!」
「まあ、ここまで聞けば10回やり直しのきく良い物に聞こえるが
そのスキルにはまだ能力があってな。」
「まだあるんですか! 一体どんな能力なんですか?」
「まず同じ世界には転生できない。」
「なるほど。」
これは同じ世界に行くことでマンネリ化を防ぐためだろ。
さすが神様の恩恵転生者にやさしい。
「次に苦難というスキルが付く。これは事あるごとに
苦難に立たされる状況が向こうからやってくるものじゃ。」
「な、なるほど。
まあこれだけ強力なのだからしょうがないですね。」
俺はこの時これ以上ひどい能力はつかないだろうと
思っていた。いや思いたかった。
だが神様は言っていた「次に・・・」と。
「最後にー」
「ちょっと待ってください。まだあるんですか?」
「ああ、まだあるこれが最後にして
最大のデメリットじゃ。」
「.....それは一体なんですか?」
俺は覚悟を決めて真実を神様に聞いた。
「それは女運マイナス。
このスキルがある限り女の子といちゃつく
ことが絶対にできなくなくなるというものじゃ。
しかも残機10が消えない限りこのスキルは消えないし
能力を薄めることもできない....。」
俺は初めて膝を折って絶望というものをした。orz
衝撃の事実に膝をついて絶望しながらも
神様はそんなのお構いなしに淡々と
説明は続き異世界に行く上での
諸注意を聞かされていた。
「次の世界に向かうに際して言語の心配はいらんぞ。
言語理解というスキルを転生と同時に付与されるからの
それと、あまり目立ちすぎるのもおすすめせんな。
元の世界の知識を活用して成り上がろうとする物も多いが、
そういうやからは周辺の領主や国に利用され最後には
処刑台というのがおきまりだからの。...聞いておるのか?」
「・・・(ぼけー)」
神様が何か言っているようだが今はそんなことはどうでもいい。
俺は自分で言うのもあれだが元の世界ではアニメやゲームが
好きないわゆるオタクという人種だった。
当然そんな俺が彼女がいたこともなく女子とまともに話したこともない。
そんな俺に対してこれはあまりにもひどい仕打ちなのではないのか
異世界にいってハーレムまでは望まなくても嫁ができるのではないか
という淡い希望が転生する前の段階で粉々に砕け散っていた。
「あー、まあそんなに気を落とすでない。
人生の楽しみが女だけとは限らんじゃろ。
それと、そろそろ時間が押しているようじゃし、
転生させてもらうことにするかの。」
「ちょ、時間が押してるってどういうことだよ。」
「そんなのこちらの都合に決まっておるじゃろ、
何が悲しくてこの世の終わりだみたいな顔をしておる
お主と顔を合わせ続けなければならんのじゃ。
ワシは早く帰ってぐーたら、ではなく他のとても重要な
仕事をしなければいけないのじゃ。というわけで送るぞ。」
神様はそういうと俺に向かって魔方陣のようなものを
飛ばしてきた。
「おい、いくら何でもいきなりすぎるだろ!
あと今さらっとぐーたらしたいから俺をさっさと
送るみたいなこと言いやがったな。
人の人生滅茶苦茶にしておいてそれかよ!」
「? 滅茶苦茶とはどういうことじゃ?」
この神様、いや声色的にじじいだろ。
そんな見え透いたとぼけ方しやがって。
「とぼけるなよ! 俺を異世界に転生させるために
俺を死なせたんだろ! これが人生を滅茶苦茶に
したと言わずになんというんだよ!」
俺がそう憤ってじじいに向かっていうと、
じじいはあきれた感じでこう返してきた。
「はあ、なんじゃそんな風におもったんか。
よいか初めにも言うたがワシは死んでしまった
魂をと言うたはずじゃぞ。
これすなわち、お主はワシが異世界に転生させる
ために死なせたのではなく。
自分で水たまりに足を滑らせて、頭を打ち付けて
死んでしまったんじゃ。
誰が好き好んで生きている生者をわざわざ
死なせてまで転生させるものか。
そんなことしたら周りから冷たい目で見られるじゃろうが。」
あ、じじい以外にも神様いるのね。
てかもしかしてこのじじい偉い神様だった?
って! そうじゃなくて今のじじいの話が本当なら...
「お、気が付いたようじゃな。
そうじゃお主は公衆の面前で何もないところで
すっころんで亡くなったどんくさい奴という事じゃな。」
「.............ナン..ダト。」
「周りにいたものも最初どうしていいかわからなかったみたいじゃが
さすがにまずいと思い救急車を呼んだみたいじゃが、その時にはもう
亡くなっておったからの。医者がお前の死因を家族に伝えるとき
それはもう残念そうな顔をしておったぞ。」
つまりあれか俺は、自分のドジで死んでしまったのに
それを目の前にいるじじいのせいにしようとしていたと
そんな俺にわざわざ声をかけてくれたのだと。
「じじ、神様ありがとうございます。
俺いや僕は異世界でもがんばります。」
「今ワシのことをじじいといわんかったか!?
それにさっきまでの話が無かったかのように
いい感じに締めくくろうとしておる!?」
そんなことは一切ない。
俺は感謝してるよ心の底からねー(棒)。
「はあ、まあよいわ。
もうすぐ転生が完了することじゃし。
それでは、達者でやるのだぞお調子者の魂よ。
また会う時までげんきでなー。」
「はい、神様もおげんきで!」
なにはともあれ始まった異世界生活こうなったら
とことん楽しんでエンジョイしてやるぞ!!!
そういえばあの白いじじい最後にまた会う時までって
言ってたけどどういう事なのだろうか?