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龍神の白  作者: 良さん
邂逅
2/22

龍神

俺は……龍だ。


そして前世の記憶持ち。というか、これは異世界転生ってやつではなかろうか。


前世では龍はファンタジーな存在だったもんで、今自分が龍になっているってことは元の世界とは違うだろう、と思ったワケだ。


ただ、記憶も結構曖昧で、常識的なことは覚えているんだが、記憶喪失に近い。

親の顔も自分の名前も覚えて無いし、なんで死んだのかもさっぱりわからん。

そもそも死んだのかな?って不安になったこともあったけど、もうこうして生きている以上、前の世界に俺はいないんだから死んだってことにしてもいいだろう。


気がついたらこの洞窟に居た。

しかも卵から孵ったわけじゃなく、最初からこの出来上がった身体だった。

転生じゃないな。乗っ取っちゃったっぽい。


で、軽くテンション上がって思いっきり吠えたらさ、自分でもびっくりするくらいの声が出たんですよ。

したら天井からなんか落ちてきて頭にクリーンヒット。

いやぁ痛かったのなんのって、目覚めたの2,3日前だからね。

でっけぇ岩。コレが当たったのか。よく死ななかったな、さすが龍の身体。


それで身体動かそうとしたら全ッ然動かないでやんの。

体が重たいのなんのって。

指一本でも20キロくらいありそうだもんな。

力はあるっぽいんだけど、脳みそが追いついてきてない感じ。

いや、気合いれたら叫び声みたくとんでもない力は出せそうだけど、

結局制御できてないってことだからね、あれ。


このまま立ち上がったりしようもんなら勢い余って天井まで飛び上がったりしちゃいそうで、まずはちょっと落ち着こうと思ったのよ。


せっかく龍なんかになっちゃったんだし、龍といえばブレスでしょ!

とか思ったんだけど、今火出て酸素吹き飛ばして酸欠になって死んだら目も当てられない。

何もできることが無い…って思ってたら、なんかね、感じちゃったのよ。

変な意味じゃないよ?


魔力っぽいアレですよ。フフフ。

感じられたらなんか動かせそうだったからさ。

とりあえず出してみたらどうなるかなーって思ってこの部屋(部屋?)中に充満させるようなイメージでやってみたら、天井は光るわ魔力は暴走するわで、こんな大変な事になるとは思わなかったね。


で、暴走した魔力を落ち着かせるために、目を瞑ってたら…寝落ちしてたっぽい。

起きたら目の前に人がいたのさ。びっくりしたね。

フード外したらその人、めっちゃ白いの。髪も肌も。で、目が赤い。アルビノってやつだな。

アルビノって美形多いよなー、めっちゃ可愛いじゃない。


「龍神様!」


言葉わかる!やったぜ!ってか俺龍神なのか!またすげぇのに転生したな!そんなの乗っ取っちゃって大丈夫?


「どうかお怒りを鎮め、空と大地にお恵みを戻してください!」


怒り?いやー、魔力は鎮まったよ?空と大地とってまた大層な話だな。


「私はその生贄として参りました!どうか…!どうか…!」


……生贄?


いやー、俺人間は食えないわ。元人間として。

中身のかる~い龍神さん。かわいがってね!

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