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龍神の白  作者: 良さん
邂逅
11/22

外の世界

「はぁ……はぁ……。」

「どうした。言いたいことはそれだけか。」

「ず……ずるいです……。」

「フン、何がだ。」

「龍神様念話じゃないですか!もう喉が痛いです!」

「では、我の勝ちということで良いな。」

「そうは言ってな……ゲホッ。」


咳き込む真白。

正確な時間を測る術が無いため知る由もないが、喧々諤々の言い争いは十時間にも及んでいた。


「一つ言っておくがな……。」

「コホッ……何でしょうか。」

「真白のためでもあるのだぞ。」

「……?」


喉をさすりながら首を傾げる。


「我がここから出られなければ、そなたも一生ここで過ごすことになる。せいぜいこの山を出た森くらいまでしか出歩かんだろう。」

「はあ。」

「真白にも外の世界を見せてやりたいのだ。」

「よく……わかりません。」


俯く真白。


村でも軟禁状態にあった。

そのまま役目を与えられた真白に、他のことを考える道は無かった。


「学べ、真白。人として生を受けたのだ。そなたの知らぬことがこの世にはごまんとある。」

「でも、龍神様のお世話をしなくちゃ……。生け贄ですし……。」


自身の役目のことしか頭にない。俯いたまま答える。


「どうでもいいではないか。」

「え?」


顔を上げ、困惑した表情で龍を見つめる。

龍は言う。


「恵みを我に取り戻させるために生け贄になったのだろう?我がそれをしないなら、生け贄になる必要もあるまい。」

「え……?あれ……?そうなん……ですか?」

「違うか?」

「だ……だったら……。」

「……。」

「やっぱり出口広げるのを手伝う必要ないですね!頑張ってください!」

「おい!!そこか!!」

「冗談ですよ……。もう、色々と助けられていますから、お世話は続けます。」


からからと笑う真白。

言葉は続く。


「それに、私一人で外に出ても龍神様が居ないと楽しくなさそうですから。」

「野垂れ死ぬのがオチだ。」

「ひどい!けど否定できません!」


頭を抱えながらうーんとうめき声をあげる。

その様子を一瞥し、面白がるように目を細める龍。


「……まぁ、明日明後日出られるというわけでもない。出られるまではみっちりしごいてやる。」

「はい……。お願いします……。ところで、龍神様。」

「ん?」


「学べとかなんだかんだ仰ってましたけど、結局自分が出たいだけですよね?」


「……。」


――


「反省してろ。」

「ごめんなさい反省しましたぁ!降ろしてください!」


真白のセリフが図星だったのか、失礼な言動に対する罰かは定かではない。

五メートルほどの高さに魔力で逆さ吊りにされた真白は、このまま一時間ほど放置されることとなった。

ブックマークありがとうございます。


次回から第二章となります(なると思います)


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