6-デスゲームではない
『現時刻を持って、全プレイヤーのログアウトシステムをロックしました』
この言葉で、俺を含めプレイヤーは全て理解した。これは嘘ではないと。騒いでも何も変わらないと。
『この事実はすでに政府及び各機関に通達済みです。プレイヤーの解放条件ですが、現在配置されているボスモンスターを全て撃破することです。ボスモンスターはぜん30体存在します』
ふむ、ということは恐らくだが俺らの体は病院に送られるだろうな。各機関に通達済みとかいってたし。
『また、ゲーム内で死亡しても現実で死亡はしません。私の目的に反します』
これはいいことを聞いた。心配事が消えて一安心だ。
『それではAEOプレイヤーの皆様、思う存分お楽しみください』
そう言い残すと、金髪の美女は霧のように消えた。
「聞いたかゲーマー共‼︎」
直後、剣士風の装備をした若い男が噴水の上で叫んだ。濡れるのは気にしないのか?
「これがどういう意味かわかるか?」
剣士風の男が煽るように続ける。
「思いっきりAEOを楽しめってことだ‼︎」
「うぉぉおおお‼︎」
凄いな、あのプレイヤーは。一瞬で他のプレイヤーの心を攻略に傾けるなんてな。
「ま、俺はやりたいようにやるさ」
あのプレイヤーの言う通り、いくらでもゲームができるんだ。俺のやりたいことをするだけだ。
「プレイヤールームにでも戻りますかね」
なお、プレイヤールームには、街にいればメニュー画面から何処ででも転移出来ます。