1-プロローグ
大幅改稿しました。
「にーさんにーさん、これ届いたよ!」
喧しい妹を無視して俺は作業に没頭する。ここを繋げたほうがいいかな……
「今話題のこれだよ!ねえねえにーさん!」
ここが引っ掛かればこれが作動して……
「ねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえねえn」
「うるせぇ!なんだお前は。壊れたスピーカーか!新手の妖怪か!」
「『AEO』が届いたんだよ!」
「へー、そうかい」
心底どうでもいいな。俺はトラップ作りで忙しいんだ。
「ふーん、どうでもいいって感じだね?」
「正直ゲームよりトラップの方がいいからな」
「やらない?にーさん。『AEO』に罠のスキルがあるんだけどなぁ〜」
「信濃、それは本当か?」
「私が嘘を言うと思う?」
ふむ、ゲームでトラップか……いいじゃないか。どうせ現実で作っても使えないからな。
「ならやろうかな」
「うん。今度の土曜日の3時からサービス開始だって」
「楽しみだな」
「そうだね!ああそうそう。そろそろ夕飯ができるってお母さんが言ってたよ」
「んー、わかった」
気の抜けた返事をした後、俺はまたトラップ作りに戻った。
ーーAEO、正式名称『Armament Evolution Online』。なんでも、サーバーには最新のスパコンを何基も使い、ゲーム内の調節のために高性能AIを搭載したとか。なぜここまでするかといえば、『プレイヤーのプレイスタイルと装備に与えれた素材の組み合わせで装備は進化する』からだ。何万人ものプレイヤーのデータを集めるには、ここまでする必要があるのだろう。何はともあれ、俺はやりたいようにやるさ。
ーーそしてサービス開始当日
「あと10秒」
俺はゲームの世界に心弾ませながら
「5……4……3……」
ヘッドギアを頭にかぶり
「2……1……ダイブスタート!」
ゲームの中に飛び込んだ。
誤字脱字などありましたら、よろしくお願いします。