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26日目:怪奇!ハンバーガー男

26日目


【同行者】いつもハンバーガーを食べているスーツ姿の太った男(アイテム扱い。連れている間、毎日食糧-1)が同行を申し出た。アイテムが2個未満なら何と強引についてくる!



 とある廃ビルの一室。

 ここには強力なゾンビが住み着き、夜な夜な人を食べているのだという。

 そして勇人は、近くのシェルターで生活する人たちから、ここの調査を依頼されていた。


「確かになんかいそうな雰囲気はするけど……」


 もしここにゾンビが住み着き、人を食べているのが真実だとして――確実にたりないものが一つあった。


「……血の臭いがしないんだよなぁ。だけど、何かしらいそうな気配はするから、やっぱりゾンビがいるということ自体は真実なのかなぁ」


 そう、この空間には血臭、あるいは死臭と呼ばれるものが一切漂っていなかった。

 このご時世では、ただの民家でさえ死臭と血臭に塗れているというのに、ここは不自然なほどそういった不快な臭いが消されていた。

 そしてビルの奥から聞こえてくるのは、低い振動音。

 恐らく何らかの機械が駆動しているのだろう。電力供給がなくなったとはいえ、自家発電装置や太陽光パネルなどはいまだ稼働を続けるものが多く、工場で機械が動きっぱなしになったりしていることも珍しくはない。


「さて、鬼が出るか蛇が出るか……ただの機械だといいんだけどなぁ」


 さしたる困難もなく、音の発生源まで辿り着く。

 それはビルの最上階にある一室。

 中から聞こえてくるのは機械の駆動音と――何かを咀嚼するような音。


(……まさか、本当に?)


 勇人が刀を握る手を強くする。

 いつ襲い掛かられてもいいように抜刀し、ゆっくりとドアを開く。

 そしてドアを開けた勇人を待ち受けていたのは、スーツ姿の太った男だった。


「ハロー! はじめましてそこの人! おや、どうしたんだい刀なんか持って。怖いからおろしておくれよ!」

「……はぁ」


 勇人が一気に脱力する。

 中から聞こえてきた咀嚼音の正体は、男が手に持ったハンバーガーだった。


「あらあら、どうしたそんな顔をして! ハンバーガーでも食べるかい? いっぱいあるよ!」


 そういって男はハンバーガーを差し出してくる。


「いりませんよ……。まさか噂の正体がこんなものだったなんて」


 男の背後に置かれているのは巨大な業務用冷凍庫と、電子レンジだった。駆動音がするところからすると、両方ともしっかり稼働しているのだろう。

 勇人には分からないことだが、このビルはかつてとあるサーバー管理会社の本部として利用されていて、非常用にソーラーシステムが搭載されていたのだ。そしてそれは発電所が使い物にならなくなった今でも、しっかりとこのビルに電力を供給していた。


「ふう……あなたはどうしてこんなところに住んでいるんですか?」

「それはね~。うん、この中を見てもらった方が早いかな」


 男が冷凍庫の扉を開ける。

 中に詰まっていたのは、大量の冷凍されたハンバーガーだった。


「僕はね、昔ここの会社で働いてたんだ。働いてた、といっても平社員じゃなくてもっと上の方。副社長をやってたんだよ。

 それでね、僕はハンバーガーが大好きで、いつでも食べれるように副社長室に大量の冷凍ハンバーガーを持ち込んでたんだ。これはその名残。

 もちろんこんな小さい冷凍庫に入る分でそんなにまかなえるわけはない。実はサーバールームを丸ごと1フロア利用してそこを全部冷凍室にしてハンバーグを詰め込んだから、この下のフロアはハンバーガー倉庫になってるんだ。そこから月に1度くらいこっちに移してくるってわけ。

 そして異変が起きて以来こうして毎日ハンバーガーを食べ続けているというわけさ!」

「なるほど……それはまたすごいですね……」

「だけど、その生活にもそろそろ飽きてきてね。いつかはハンバーガーもなくなっちゃうわけだし、そろそろ外に出ようと思ってたのさ。

 ねえ、せっかくだから連れて行ってくれないかな?」

「それはちょっと……ゾンビに襲われたとき守り切れる自信もないですし」

「そっかぁ……残念。じゃあまた誰か人が来るまでここで待つとするよ。じゃあね~」




――26日目

 HP:46

 食糧:60

 Item

 日本刀(銘:薄骨喰)

  【戦闘】で受けるダメージ常に-2。最低1点は受ける

 改造2丁拳銃(ワルサーP99/9mmパラべラム弾使用/装弾数20発)

  【戦闘】で受けるダメージ常に-2。最低1点は受ける

 NoDateItem

  焼きハゼ

  紅茶パック

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