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妖刀使いの異戒道~魔力がないと追放されたが、妖刀(美少女)を拾い死ぬほど鍛えられる。  作者: umino


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第4幕 廃墟

感想といいねを頂ければモチベが上がります。

北海道。


沖縄と並び、日本で唯二――異戒師管理局の直接管轄を受けない地域。


広すぎる大地、密集しない都市部。


そして、把握しきれない数のダンジョン。


 僕は空港を出た瞬間、肺いっぱいに空気を吸い込んだ。



「……暑いな。涼しいイメージがあったんだが。」

『時期は夏ですから。』

「本州と同じだろこれはもう。」



肩に担いだ布包みの中で、阿紫花がわずかに魔力を震わせる。



『管理局の索敵結界は、ほぼ届いていません。理想的ですね。』

「逃亡犯のセリフじゃん。」

『現時点では“未登録異戒師”ですし、実際追われていますから。』

「結構ヤバいんだよな……」



僕は小さく息を吐いた。


正規登録されていない以上、ダンジョンに入れば即違法。


なら選択肢はひとつ。


――外に出た魔獣を狩る。



 なけなしの貯金で中古のオフロードバイクを買い、地図アプリと衛星事故情報サイトを頼りに北へ向かう。


舗装路が途切れ、草原と朽ちた道路が続く。


人の気配は、とうに消えていた。



「……完全にゴーストタウンだな。」



家屋は崩れ、標識は錆び、


信号機だけが律儀に赤を点滅させている。



『数時間前、この周辺で強い魔力反応が観測しました』

「それがまだ残ってる可能性は?」

『高いですね。』



僕はエンジンを切り、村の中心に立つ建物を見た。


――小学校。


割れた窓。倒れた鉄棒。雑草に埋もれた校庭。


嫌な沈黙。



『……視線があります』

「俺も感じた」



二人の声が、同時だった。


迅斗は布をほどき、阿紫花の柄を握る。刃が、かすかに紫の光を帯びる。



『内部からですね。』

「……行くか。」



床板のきしむ音だけが、廊下に響く。


薄暗い校舎。


掲示板には色褪せた標語。


――命を大切に。



「皮肉すぎる……」



教室を一つずつ確認しながら進む。


その時。


――コツ。


後ろ。


床を叩く、重い音。迅斗が振り向いた瞬間。


それが跳ねた。


人型。だが脚は一本。


骨ばった足で飛びながら、異様な速度で迫ってくる。



「……っ!」



踏み込み。阿紫花が横薙ぎに走った。


赤色の閃光。魔獣の胴が、静かにずれ――床に落ちた。


霧のように魔力が散る。



『……』



阿紫花が沈黙する。



「……どうした?」

『切断精度が向上しています。』

「は?」

『初戦時より二割。反応速度は三割。』



 迅斗は眉をひそめる。



「……マジか。」

『短期間でここまで適応するのは異常です。』

「褒めてる?」

『事実を述べています。』



だが、次の瞬間、阿紫花の声が鋭くなった。



『……おかしい。』

「何が?」

『この魔獣は単独行動するには弱いんです。』



 刃が、震える。



『彼らは群れる種です。』

「……つまり?」



その時。

背筋をなぞる寒気。校舎の外。

地下。床下。

――無数の気配。



『……来ます』

「何体だ」



一拍。



『数十いえ……数百。』

「……は?」



廊下の奥。割れた扉の隙間から。天井裏から。


床下の通気口から。


這い出してきた赤子のような体躯。


だが口だけが裂けるほど大きい。


ずる、ずる、ずる。


床を這いずる音が、波のように迫る。



「……誘い込まれたな。」

『はい。』

 


阿紫花が低く告げる。



『この私としたことが……』



迅斗は構えた。背後は壁。


出口は群れの向こう。


数は――絶望的。



「……全部倒せば?」

『効率は悪いですね。』

「じゃあ?」

『突破します。』



 刃が、わずかに嗤う。



『私も全力でサポートします。』



 迅斗は息を吸い、踏み込む。



「……言ったな」

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